1989年、共に活動を開始したニュー・ジャージーを拠点に活躍するプロデューサー、マイケル・コールとエンジェル・ロドリゲスは、自らを表現するため、インディペンデント・レーベル「Right Area Records」を立ち上げる。当時、ブレイズの「The Jersey Sound」, 「A Speed Records」等、他レーベルが衰退の道を辿るなか、「Right Area Records」は、その隙間を埋めるかのように設立されたレーベルであった。独特なプロダクション・スキルとフレッシュなヴァイヴは「次世代」アーティスト達と仕事をする事により、"A Night To Remember"や"Thank You"などの革新的なトラックをプロデュースする。
数年後、「Right Area Record」は活動を中止するが、2人はDJを続け、自分達のクラウドに新たなる道を切り開き、音楽を通し彼らの意識を高める。彼らの音楽的なスタイルは優美でなめらかであるのと同時に、独創性が非常に高い。ダンスミュージックなどに挙げられるレトロ・ビーツと*カーボンコピー(*丸移し状態)のサンプル音楽的傾向に閉口し苛立ちを覚えつつも、、マイケルとエンジェルは、1996年に「Deep Worldwide Music」を立ち上げ、スラム・モードとして活動を再開する。何枚かのCDをプロデュースし、ディープでムーディーなオーガニック・ハウス・ミュージックというスタイルで彼らの存在は世界に知られることとなる。そして時代の帆が風をはらみ、出航する頃い見計らうかのように、1997年に言わずとしれたジョー・クラウゼルの「Spiritual Life Music」と手を組むことに(他のレーベルはこの種の音楽を契約することはほとんどなかった時代である)。
最近、彼らが「Spiritual Life Music」で手掛けた作品からは、新しい効果を打ち出すことでその熟練したプロデユーサーぶりを見せつける。今日の競争激しい音楽市場に、彼らの様なアーティスティック・フリーダムを掲げているアーティストはなかなかいない。彼らは並外れて美しく感情に満ち溢れた音楽に自分達のクリエイティブな衝動を落としこむことができるのだ。
2001年9月、「Spiritual Life Music」のレーベルコンピ、その名も「Spiritual Life Music」とともに、彼らの記念すべきファースト・アルバム「*Uhuru(ウフル)Part.1」(*民族独立、自由、アフリカ民族主義者のスローガン)が遂にリリース。実にしっくりくるタイトルであり、このアルバムは全面的にフリーダムを謳っている作品だといえよう。さあ、2人が織り成す音楽の行く手は何処へと向かうのだろう・・・。