Half-finished Heaven

これまで2度の来日公演も果たしているノルウェーのカンテレ奏者/シンガーソングライター、シニッカ・ランゲランの4年ぶりECM4作目のアルバムが登場。

本作は自身のカンテレのほかにヴィオラ、テナーサックスを加えたアンサンブルのために作曲、“全方向における表現”を目指した。ノルウェーとフィンランドのフォークの伝統と共にジャズのインプロヴィゼーション、さらにはクラシックやコンテンポラリー音楽の要素も加えたシニッカならではのオリジナル世界を展開。また本作のテーマは「毎日動物たちと森で出会うミステリーと歓び」とのことでスウェーデンの詩人トーマス・トランストロンメルの詩を歌った3曲も収録。トランストロンメルは2011年にノーベル文学賞を受賞したが、ちょうどそのころシニッカは本作を準備していたそうで「のーばる賞を彼が受賞されてとてもよかったと思ったのだけど、彼の詩を私の作品に使わせてもらうのが難しくなるかなとも心配だったわ。でも彼の奥様がすぐ電話をくれてOKと言ってくれたの」とのこと。本作に参加のミュージシャンはこれまでもシニッカと演奏した経験を持つ面々ばかり。ノルウェーで最も優れたクラシック・ソリストで"ノルディック・のヴィオラの巨人”の異名を持つラース・アネルス・トムテル、パーカッショニスト、マルク・オウナスカリはインプロヴァイザーながら本作ではクラシカルな曲にあえて挑戦、トライヴ・セイムのインプロヴィゼーションも沸き立ったとのこと。今年4月に久々の来日コンサートも行う予定。

Sinikka Langeland (kanlete)
Lars Anders Tomter (viola)
Trygve Seim (ts)
Markku Ounaskari (ds,perc)
Produced by Manfred Eicher Recorded by Jan Erik Kongshaug