わたしはレコードで発売日と同時に購入した。伴奏なしの、しかもカペラという言葉に興味を抱いて、レコード盤に針を落とすと、静寂さのなかに一綸のバラが咲いた音楽で、そこには計算された音楽の衝撃があった。それ以来このグループが発売されるたびにすべて買い求めた。知らない人は一度聞いてみるがよい。きっと魅了されること間違いなしである。

「ゆく年くる年」って正月番組はまだ昔のままであるのかなー。あれだな。雪中にたたずむ寺社仏閣を見ると、おごそかでおだやかでそれでいて新年の希望がほのかにわいてくるようで、宗教心のない私でも思わず家族の健康のために手を合わせたくなるようないい感じ。Big Bandのゴージャス・クリスマスの対極をいくしんみりクリスマス。それでいて後半の聴かせどころもすばらしく、まさに幸せなあるいは幸せになりたい家庭人に必需品の一枚。

このｸﾞﾙｰﾌﾟのことを､最近までしらなかった自分が恥ずかしいと思うほど､素晴らしいｱｶﾍﾟﾗを聴かせてくれるｸﾞﾙｰﾌﾟです｡最初聴いたときは､ﾏﾝﾊｯﾀﾝ･ﾄﾗﾝｽﾌｧｰかと思いました｡ このCDの録音は､1971年と､1975年､そして1980年に行われています｡当時としては､かなり珍しい､ｽﾀｼﾞｵによる多重録音により仕上げられているため､録音によってしか､創ることができないため､彼らのﾗｲﾌﾞは､一切行われていません｡ ｱｶﾍﾟﾗという領域を確立したといってもいいｸﾞﾙｰﾌﾟでしょう｡ 収録曲目も､有名な曲ばかりで､とても親しみやすい作品です｡ このｸﾞﾙｰﾌﾟに影響を受けて､山下達郎は､自分の声を多重録音する手法を多くのALBUMで取り入れるようになったとか｡ いま､私は､このｱﾙﾊﾞﾑに出会えて､とても幸せな気持ちに満たされています｡こんなｽﾃｷな音楽があったのかと｡しかも､私の生まれる前から､こんなに素晴らしい音楽を作っていた人たちがいた事に､感激しました｡ 全部で38曲も入った､豪華な作品です｡ 音楽､そして､人間の声のすばらしさを感じることができる､ｽﾃｷなｱﾙﾊﾞﾑです｡

問題は、このＣＤの取扱についてです。 信仰心とともにクリスマスを過ごす人には最高点の出来だと思います。 が、このグループをジャズボーカルグループと位置付けている私にとっては、少々まじめすぎる点がマイナスです。但し、きよしこの夜は最高に美しい！

自慢話ではありますが、１４枚のＬＰの中で１０枚も買っていました。２０年以上前ですが、当時はハードバップと新伝承派とクロスオーバーとシンガーズアンリミテッドが好きでした。通常ＪＡＺＺを聴くときは、ＬＰのノイズなんて別に気にならないものですが、やはりこのグループは静寂の中から浮かび上がってくるサウンドに身を包み込みたいって感じがあるので、このＢＯＸを購入しました。クリスマスアルバムも以前購入してるので、これでパーフェクト！ １点減点した理由は歌詞カードが欲しかったのと、ビートルズの曲のアレンジに無理があること

アカペラというジャンルをとことん聞きたい方は、このザ シンガーズ アンリミデットをとにかく聞いてほしいです。約1万は高いと思うでしょうが、14枚分の濃ーーい内容なら文句いえません！知ってる曲もたくさんあるので、マジで一押しです。

名盤中の名盤でしょう。録音技術の粋と、音楽性のこれ以上の融合はないと思います。ＣＤ化されて本当に良かったです。ポリドールに感謝。