訂正する。荒削りかと思ったのだが、ひとつのｼﾝｾｻｲｻﾞｰ音楽の方向性を描いている。ｸﾗｼｯｸ＝純音楽か……一定のﾒﾛﾃﾞｨｰ・ﾁｪﾝｼﾞが存在しない曲構成は、音の描写である。ﾌﾟﾛｸﾞﾚ・ﾛｯｸではない。坦々と紡ぎ出されるｷｰﾎﾞｰﾄﾞ群の柔らかい音とｺｰﾗｽは神秘的でもある。軽視できない作品。

78年発表。ﾊﾟﾝｸ、ﾆｭｰｳｪｲｳﾞの到来を迎えたこの時期に、ｲﾀﾘｱﾝ・ﾌﾟﾛｸﾞﾚは衰退(滅亡)する。これはｳﾞｨﾝﾃｰｼﾞ・ｷｰﾎﾞｰﾄﾞだけでｸﾗｼｯｸを構築した作品で、いまいち面白みが無い。多重録音を繰り返してみればと思うが、そうなると最近のﾌｨｰﾘﾝｸﾞ・ﾐｭｰｼﾞｯｸになってしまいかねない。