クリストファー・コロンブス〜失われた楽園(1400-1506)　サヴァール

『クリストファー・コロンブス〜失われた楽園(1400−1506)』
サヴァール渾身の録音！！
『ドン・キホーテ』に続いて、没後500年の『コロンブス』！！

昨年の『ドン・キホーテ』と同様の、解説272ページ豪華美麗ブック型ＣＤケースでリリースされる、サヴァール渾身の新録は、今年(2006年)、没後500年を迎える『クリストファー・コロンブス』。西語、仏語、英語、カタルーニャ語、独語、伊語、アラビア語、ヘブライ語による解説付です。
　国土回復運動、新大陸発見というキリスト教徒から見たプラスの面の視点と、彼らの反対側から見た、アル・アンダルス終焉、セファルディ離散、新大陸におけるインディオの迫害など、楽園喪失という視点の両面からアルバムを構成しており、当時のヨーロッパ、イスラム、新大陸の資料と音楽を駆使したこの録音は、サヴァールのアイデンティティのありようとキャリアを感じさせるものとなっています。
　また、演奏陣も充実しており、それぞれの曲が、場面にあった歓喜と悲哀を表し、要所要所に適切な雰囲気の即興が挿入されています。特に、フアン・デル・エンシーナのビリャンシーコ『起きよパスクアル、グラナダが陥ちた』の勇壮さには、当時のキリスト教徒たちの喜びが満ち溢れています。約142分収録。デジパック・トールBOX。マルチチャンネル対応ハイブリッドSACD。

ＣＤ１
１．古い予言と降霊
２．国土回復とコロンブス誕生
３．新しい道と大いなる計画
４．アル・アンダルス（イスラム・スペイン）の終焉
（収録曲：コルナーゴ、ジョスカン・デプレ、フアン・デル・エンシーナらの作品、
『ラ・スパーニャ』（器楽曲）、他）

ＣＤ２
５．セファルディの離散
６．発見と被害
７．イザベラ女王の遺言とコロンブスの死
（ルイス・デ・ミラン、デュファイ、イザークらの作品、他）

　モンセラート・フィゲーラス（VO）
　エスペリオンXXI
　ラ・カペッリャ・レイアル・デ・カタルーニャ
　ジョルディ・サヴァール（指）
　録音：2006年11月20日

【曲目詳細】
ＣＤ１
１．古い予言と降霊
・セネカ（１世紀）作：悲劇『メデア』（第２幕）
／音楽：（合唱）バンショワ、（独唱）作者不詳（12世紀）
（予言の書についての、前掲の原文および、コロンブスによる翻訳）
[導入部]
[祈願]そして、テーテュース女神が新たな国土をお明かし下さいますように
[降霊１]今や海は凪ぎ
[祈願]そして、テーテュース女神が新たな国土をお明かし下さいますように
[降霊２]世界の果ては広がり
[祈願]そして、テーテュース女神が新たな国土をお明かし下さいますように
[降霊３]長い年月が過ぎ去り
[朗唱]長い年月が過ぎ去り
[祈願]そして、テーテュース女神が新たな国土をお明かし下さいますように
[朗唱『]時が満ち、時代が到来する．．．』
・1408年：ナスル朝グラナダ王国ユスフ３世(1408−17)の統治
『スーフィ讃歌』（楽器による即興）
[朗読］イブン・バットゥータ：『大旅行記（三大陸周遊記）』(第16(27)章)より『グラ
ナダの美に関する記述』／ウードによる即興
作曲者不詳：ムーワッシャハ（宮廷詩）『神、安住の地としてグラナダを守護せられ』
（アル・アンダルスの器楽曲）
２．国土回復とコロンブス誕生
・1410年（９月）カスティリア王国摂政フェルナンド王子軍、アンテケラ攻略
作曲者不詳（セファルディ）：古いロマンス『アンテケラのモーロ人』
[朗読『]カスティリア諸王年代記』(第29章)より『アンテケラに御座す王子様は』／打
楽器による音楽
作曲者不詳：『サッパイ』（ＣＭＭ20）（器楽曲）
・1443年（２月）：アラゴン王国アルフォンソ５世寛大王、ナポリに凱旋入場
作曲者不詳：『コリネット』（ＣＭＭ22）（器楽曲）／[朗読『]ここにおいて、私は、王
様の偉業の大いなる栄光について語るであろう』
作曲者不詳：ヴィロッタ『ディンディリンディン』（ＣＭＭ127）
・1451年（10月）：クリストファー・コロンブス誕生
作曲者不詳：『おお、よき時よ』（導入部）／[朗読]エルナンド・コロンブス：『彼の祖
先はイエルサレムの王家の血筋であり．．．』『(コロンブス提督伝』(第1章)より)／[朗
読]バルトロメ・デ・ラス・カサス師：『彼の両親は著名な人物であった、．．．』
作曲者不詳：ストランボット『おお、よき時よ』（ＣＭＭ132）
３．新しい道と大いなる計画
・1474年（６月25日）：ジョアン王子への（フェルナン・マルティン宛の）フィレ
ンツェの医者トスカネッリの書簡
[朗読『]それゆえ陛下には自らの手で作成しました地図を送り』／作曲者不詳：『ガ
レー船を漕げ』
コルナーゴ：バス・ダンス『世界地図』（ミサ曲『世界地図』のキリエ）
・1480年：サン・ビセンテ岬での遭難
[朗読]エルナンド・デ・コロンブス：『コロンブス提督伝』(第5章)より『提督は（ヴェ
ネツィアのガレー船と）遭遇した』／作曲者不詳：『鍵、鍵は』（ＣＭＭ131）（器楽
曲）
・1485年：ポルトガル時代のコロンブスの結婚
作曲者不詳：古い旋律（11世紀）による即興
[朗読『]リスボンの近くにいたとき』／作曲者不詳：ビリャンシーコ『わが瞳は海を越
え、さまよう』（ＣＭＰ453）
・1486年：コロンブス、カトリック両王に計画を提出
ジョスカン・デプレ：『主よ、私はあなたの慈悲に期待した』（導入部）／[朗読『]結
局、カスティーリャの諺を用いれば』『(コロンブス提督伝』(第83章)より)
ジョスカン・デプレ：フロットラ『主よ、私はあなたの慈悲に期待した』（ＣＭＰ84）
４．アル・アンダルス（イスラム・スペイン）の終焉
アラブ＝アンダルスの旋律による即興
・グラナダ、アルハンブラ宮殿庭園にある大理石の水盤に刻まれた詩
[朗読]イブン・サムラクのアラビア語詩の引用／プサルテリウムによる即興
作曲者不詳（13世紀、アンダルシア）：ジャルチャ『おお、最も優秀で荘厳な』
・1492年（１月２日）：グラナダ王国征服
作曲者不詳：『ラ・スパーニャ』（器楽曲）
[朗読『]７、８、９、10、11月と時が経ち』／作曲者不詳：太鼓と鐘による音楽
[朗読『]起きよパスクアル』
フアン・デル・エンシーナ：ビリャンシーコ『起きよパスクアル、グラナダが陥ち
た』（ＣＭＰ184）
フアン・デル・エンシーナ：ロマンス『お前はいったいどうしたのだ、なぐさめられ
ずに』（ＣＭＰ）

ＣＤ２
５．セファルディの離散
作曲者不詳（セファルディ）：『天の星々』
・異端審問所
コルナーゴ：讃歌『父祖は罪を犯したが』（ＣＭＭ２）
・1492年（３月31日）：キリスト教に改宗しないユダヤ人の追放令
太鼓による即興／[朗読『]書記官フアン・コルマによるユダヤ人追放の布告』
[朗読]アラメオ語の祈り『これは（酵母を入れない）苦しみのパンです』
作曲者不詳（セファルディ）：ラディノ語の祈り『これは（酵母を入れない）苦
しみのパンです』
・ユダヤ人追放の証
[朗読]ユダヤ人追放の証『定めた月のうちに．．．』／セファルディの旋律（器楽
曲）
作曲者不詳（セファルディ）：ヘブライ語の哀歌『おとめエルサレムよ、あなた
を何にたとえ、何の証しとしよう』
６．発見と被害
・1492年（８月３日）：コロンブスの第１回航海
[朗読]クリストファー・コロンブスのカトリック両王への書簡（第１回航海）／
ルイス・デ・ミランのファンタジアに基づく即興曲
作曲者不詳：『ガレー船を漕げ』（ＣＭＭ18）（器楽曲）
・1492年（10月11−12日）：カラベル船ピンタ号より、新世界が見える
[朗読『]西南西へと航走したが』『(コロンブス航海誌』(10月11日)より)
・1502年：カトリック両王によるムデハル（残留モーロ人）へのカトリック改
宗強制
作曲者不詳：楽器による哀歌（即興曲）
作曲者不詳：『おお、聴け、我が心からの嘆きを』の前奏／[朗読『]ムデハルによ
る様々な徴候を見てとった、王と女王は』『(カスティリア諸王年代記』(第196章)
より)
作曲者不詳：『おお、聴け、我が心からの嘆きを』（16世紀アラブ＝アンダルス
の哀歌）
・1502年：モンテズマ（モクテスマ）２世、アステカ国王に即位
[朗読『]我々は、本当に、この大地に生きているのだろうか』（ケチュア語）／
コロンビアの笛による即興
『コギ族に捧ぐ』（ケーナ、アメリカ先住民の太鼓）（即興曲）
[朗読『]我々は、本当に．．．』（スペイン語）／コロンビアの笛による即興
７．イザベラ女王の遺言とコロンブスの死
デュファイ：『口さがない邪な者よ、退れ』（器楽曲）
・1504年：カスティーリャ王国イサベラ１世女王の遺言
[朗読『]そして、（インディオが攻撃を蒙ることは）許さない』(インディオの待遇
について)／太鼓、鐘、プサルテリオと声による即興
フアン・デル・エンシーナ：ビリャンシーコ『全て、この世のものは』（ＣＭＰ
61）
・1506年（５月20日）バリャドリードにてクリストファー・コロンブス死去
イザーク：『運命の女神』
『万物の神である主よ、わたしたちを憐れんでください』(導入部)／[朗読『]1505
年５月に、カトリック王の宮殿より旅立った．．．』『(コロンブス提督伝』(第108
章))
『万物の神である主よ、わたしたちを憐れんでください／王の分隊は』（ＣＭＭ
106）
・墓碑銘
ルイス・デ・ミラン：ファンタジア第１番
・提督の書簡断片
[朗読『]私は、我が一族の最初の提督ではない』／作曲者不詳（16世紀）の旋律
フアン・ペレス・ボカネグラ：公式典礼『天からの喜びは』（ケチュア語）