実質、これはJAPANの6枚目のオリジナルアルバムな訳で、昔ロッキング・オンのデヴィッドのインタビューでその事を知った時は、87年にミック・カーンの2ndで既に「Buoy」「When love walks in」の競演があったとは言えこの上もなく期待がつのった。「4人のライブがもしかしたらまた見れるかもしれない」と。まさか解散時以上にデヴィッドとJBK3人の仲が険悪になってしまおうとは…。 デヴィッドのソロとして聴くなら、期待に違わぬ1枚。ここで彼のブルース指向が顔を見せ、次の「Jean the birdman」へ繋がっていく。インプロビゼーションによるサウンド構築も実に心地良い。贅沢を言えば全てのJAPANファンが期待しているミックのフラットレスベースの舞踏、スティーブの唄っているようなドラミング、リチャードの独特なくぐもった音響をもう少し前に出して欲しかった。言い換えればロバート・フリップとの「The first day」におけるwildnessをこのアルバムで2〜3曲はやってほしかったのだ。 デヴィッドは特にJBK3人には独裁的だし、グループとは誰か纏め役の人間が必ず必要なのは明らかで、本作は前のJAPANとは違うと言いたい気持もわかる。しかし法的対立に至るこの結末は何とも苦々しい(今はだいぶ落ち着いているようだけど)。そういう理由でこの1枚だけは出来の良さは別として、今でも思い入れがやや薄いアルバムだ。ただシングル「Blackwater」はさすがの名曲でモノクロのPVも美しい。このPVをボーナス収録する位の熱意がEMIには欲しい。
WEATHER BOX さん
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