Passport

ポール・モチアンやギル・ゴールドスタインとの共演で知られていたサックス奏者ピエトロ・トノーロが、過去にも度々共演してきた巨匠ドラマー兼ヴァイヴ奏者、ジョー・チェンバース。初期メルドー・トリオのドラマーだったホルヘ・ロッシ。地元英国では、ジャズだけでは無く、ポップス、ロックの世界でも第一線のセッション・ベーシストとして活躍するアーニー・ソモギを迎えた新ユニット『パスポート』を結成。

トノーロが若き日に共演を果たしているスティーヴ・レイシーの難曲をブルージーにアレンジしたM-1 に始まり、ドライな彼のテナー＆ソプラノが映えるポスト・バップ色の強いトノーロ筆のM-3 と7、オーソドクスなロッシ筆M-2 と6、自身のヴァイヴ・ソロを生かした美しく幻想的なバラッドM-4 はチェンバース．. 無難なワルツの様に聴こえて、実はかなり複雑怪奇な旋律の難曲M-8 はソモギの作品。と、書き下ろしたメンバーによって個性が色濃く反映されたオリジナル曲の数々。その他、ジョージ・ケイブルス、ウェイン・ショーター、クルト・ワイルのカバーを収録。どの曲も長尺では無く、コンパクトにまとめてあるにも関わらず、全メンバーがギッシリと内容の濃いソロをぶつけてくるので聴き応えがあり、CD1枚の中で多彩な世界が繰り広げられる力作です。

Pietro Tonolo (ts,ss) Arnie Somogyi (b) Jorge Rossy (p, ds) Joe Chambers (ds, vib)