ジャズというよりもプログレッシブ・ロックに分類した方が合っているかも知れない素晴らしいアルバム。クラウス・ドルディンガーは彼の多くのリーダーアルバムよりこの「エデンの園」で輝きを放っていると思う。日本ではそれほど話題にならなかったパスポートというユニットだが、この他のアルバムも心に訴えかけてくる秀逸な作品が多い。もっと評価されて良いと思う。

クラウス･ドルディンガー率いるジャズ・ロックバンド。初期5作5CD廉価版ボックス。カードボードスリーブ、厚手の箱。解説なし、ボーナスなし。

エンブリヨの『激昂』、クラーンの『アンディ・ノガー』とともにジャーマン・ジャズロックを代表する傑作。

ゲストメンバーを見よ。ブリティッシュ・ブルースの重鎮アレクシス・コーナー、オルガン・ファンキィ・ジャズロックのブライアン・オーガー、そして名作『スペクトラム』を世に問うたジャーマン・ジャズロック・ギタリストのフォルカー・クリーゲルだというからなんと豪華なことよ！のちにオーガー自身このライヴが「とても刺激的だった」と回顧している。

ドイツのフュージョンバンド７４年の作品で、ジャズロック・ファンの嗜好にも合う。穏やかに吹き抜けるサックス、軽快に音階を行き来するエレクトリック・ピアノ、歯切れのいいドラム、と極上のクロス・オーヴァーサウンドなのだが、とりわけ“ツボ”なのが潤いあるメロトロン・ストリングスだと強調したい。

ＬＰで持っていました。 タイトル曲のＧａｒｄｅｎ　ｏｆ　Ｅｄｅｎは組曲形式で、朝の森の中といった爽やかな印象です。途中から徐々に盛り上がり、後半はゆるやかにＫ．Ｄｏｌｄｅｎｇｅｒのａｌｔｏで締めくくります。全体を通してＰａｓｓｐｏｒｔの作品ではすきなアルバムです。