１ｓｔの「Ｂｅｌｆａｓｔ」の衝撃から１０余年。今作の「Ｏｎｅ　Ｐｅｒｆｅｃｔ　Ｓｕｎｒｉｓｅ」で不覚にも泣きました。

'96年発表｡太陽電池を使用して製作されたｴﾚｸﾄﾛﾆｯｸ･ﾘｽﾆﾝｸﾞ･ﾐｭｰｼﾞｯｸ｡もしくは電子音が描く架空の映画音楽｡ﾃｸﾉ･ﾕﾆｯﾄ､ｵｰﾋﾞﾀﾙの4作目には従来のﾃｸﾉの枠にとらわれない自由さとﾗｳﾝｼﾞ感がある｡

初めて聴いたとき、あまりにあっさりしすぎていて、あまり印象にのこらなかったこの作品。聴けば聴くほど素晴らしい作品だと思い知らされます。

ﾄﾞﾗﾏﾃｨｯｸな抑揚に誘惑され、流麗な空間の波に漂い、織り重なるﾋﾞｰﾄに埋もれ、悪戯な刺激に鼻を摘まれ我に返る。電子音で創作される異世界。其処に在る風情に、より命を宿らせる為に緻密に象られた造形の美。ｲﾝﾄﾛからｱｳﾄﾛまで、完璧な流れで聴かせてくれる。

火星旅行だの宇宙観光だの、他の惑星への移住計画まで視野に入れた話すら急に身近になってきた昨今だが『宇宙=神秘』と云う概念はまだまだ有効。彼等のｻｳﾝﾄﾞが発する神秘性は、『掌で創り上げた小宇宙』の様に身近だが、その掌の大きさには驚きを隠せない。まさに神秘的。

ﾊｰﾄﾞﾛｯｷﾝな感触を強く残すﾋﾞｰﾄｱﾝｻﾝﾌﾞﾙが際立ち、ﾀﾞｲﾅﾐｯｸなｴﾈﾙｷﾞｰが前面に強調された印象を覚える。煌びやかで美麗なｻｳﾝﾄﾞﾌﾟﾛﾀﾞｸｼｮﾝは健在だが、荒々しい息遣いが混在するｸﾞﾙｰﾌﾞに、掻き立てられる様な衝動を確認する事が出来る。

昨年の夏、姿を消したオービタル。内容はわからないが貴重な作品になるにちがいない。

LUSH3.1とHALCYON ON ONが良いんだな〜

これ凄く良いですね！今までオービタル聴いたこと無かったけど、これで完全にハマった！他のアルバムも買いたくなった！

いつ聴いてもいいアルバムだと思う。日本盤はボーナストラックの位置がどうも･･･。毎回飛ばしてしまう。まあ最後はOne Perfect Sunriseでしめてほしいから聴くのは日本盤じゃなくていいってことかな。