Nino Rota

Nino Rota (ニーノ・ロータ) プロフィール

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1911年イタリアのミラノの生まれ。幼年時代から天才的な才能を発揮し11歳の時に『聖ヨハネの少年時代』、14歳でアンデルセンの童話を元にオペラを作曲。ロ−マのサンタ・チェチリア音楽院を17歳で卒業後、渡米。名指揮者のフリッツ・ライナーに指揮法を学び、7年後にイタリアに帰国し、1930年代から映画音楽を手掛けるようになる。

51年のフェデリコ・フェリーニ監督の『白い酋長』以来、フェリーニ作品の殆どを手掛け、イタリア映画音楽の象徴とされているロータ作品の多くはキャッチーでシンプル、そしてイタリアの庶民的な音楽に通ずるような親近感のわく、馴染みやすいメロディが秀逸です。

フェリーニといえばニーノ・ロータ。「晩年のフェリーニ作品に勢いが感じられなくなったのは音楽がニーノ・ロータでなくなってしまったから」とは、故・淀川長治の名言です。『白い酋長』の前に製作された作品の中では『平和に生きる』『アンナ』『魔の山』が重要作と言われているが残念ながら入手困難、願CD復刻/初CD化です。フェリーニと組んで以来、作風がガラリと変わったらしく、のちに名作の数々が生まれました。

50年代にフェリーニ作品をたて続けに4作、54年の『道』、のち56年、キング・ヴィダー監督の『戦争と平和』を製作、この作品ではヘップバーンが演じたナターシャのワルツを「愛」とし、メランコリックなアンドレィのテーマを「戦争」として上手く表現しています。その翌年にフェリーニの『カリビアの夜』、同年にルキノ・ヴィスコンティ監督の名画『白夜』、この作品もロータの傑作でしょう。

60年代に製作されたのが、御存知『甘い生活』。このサントラは定番アルバム、大好きな作品です。粋で洒落た小気味よい2曲目の「CADILLAC」や、休日の昼下がりがいかにも似合う「VIA VENETO」、「PATRICIA」などロータ節全開です。 『甘い生活』と同年の60年に製作されたルキノ・ヴィスコンティ監督作品『若者のすべて』も手掛けています。フェリーニとのコンビ作以外では、ヴィスコンティ作品で聴けるロータのスコアは傑作中の傑作でしょう。ワルツ調の素敵な「遥かな国」や「湖畔のワルツ」、そしてキャッチーさも残しつつもエレガントに仕上げている「ミラノのナディア」などは必聴でしょう。

この2年後にはデ・シーカ、ヴィスコンティ、そしてフェリーニの3人の監督による3部作の『ボッカチオ‘70』。フェリーニの第2話では「奥様は魔女」を想わせる素敵なハープから始まる、美しさと可愛らしさが共存する名曲の「A SPASSO PER ROMA」、ラテン・タッチの「BEVETE PIU’ LATTE」が素晴らしいです。

そしてヴィスコンティの第4話では、うっとりするような「SLOW DI PUPE」、ヴィヴラホンが可愛い大好きな曲「RADIOLINA」…など、この作品もロータお得意のキャッチーな曲が楽しめる好盤です。余談ですが、本作にはデ・シーカ監督の第1話のトロヴァヨーリ作品も収録されており、その7曲目はピチカート・ファイヴの「三月生まれ」の元ネタ。イタリア映画が好きな方々には堪らない素晴らしい名画のオン・パレードはまだまだ続きます。

その次は御存知『8 1/2』。フェリーニ・フリークにも人気高い名画ですが、同じくサントラも人気の1枚です。夢見心地な「E POI」や小気味よい洒落た「GUIDO E LUISA」、「LA PASSERELLA DI ADDIO」など秀逸です。60年代後半はヴィスコンティの『山猫』。この作品は、エレガントに仕上げていますが、「POLKA」や「QUADRIGLA」のようなコミカルで可愛らしい曲も聴けます。そしてフェリーニの『魂のジュリエッタ』。この作品では電子ピアノ/電子オルガンのロータ節全開の「A MORE PER TUTTI」や「IL BALLERINA DEL CIRCO SNAP」、トロヴァヨーリを想わせるスキャットにバカラック的キャッチーなバックトラックの「FACETTE SCINTILLANTI」が素敵。 そしてゼフィレッリの『じゃじゃ馬ならし』、ドヌーヴ、J.フォンダら数々の美女をモノにした監督ロジェ・ヴァディムとヌーヴェル・ヴァーグを代表するルイ・マル、そしてフェリーニの『世にも怪奇な物語』、『ロミオとジュリエット』のサントラを手掛けています。70年代に入って『サテリコン』『フェリーニの道化師』とフェリーニ人気の2作品を手掛けます。 そしてその2年後『ゴッド・ファーザーU』を手掛けます。こちらもメイン・タイトルの秀逸さ、ロータ風に味付けされたピアノやオルガンをフィーチャーした「THE PICKUP」や、「LOVE THEME FROM GODFATHER」など、内容の濃い作品です。70年代はフェリーニ作品を除いては、この『ゴッド・ファーザー』シリーズが代表されます。ちなみパート3はコッポラ監督の父であり、NBC交響楽団の第一フルート奏者でもあったカーマイン・コッポラが音楽を手掛けています。

この時代では『ゴッドファーザー』シリーズと『アマルコルド』『カサノバ1x他フェリーニ作品6作に相変わらずのロータ節が聴けるので是非。『アルマコルド』のタイトル曲は必聴。 そして『カサノヴァ』で特筆すべきは、ペリ・キン、ヤン富田ファンの必聴のエレクトリック・ムード・ミュージックの「L'UCCELLO MAGICO」でしょう。この曲は最高です。

惜しくも79年に他界したロータ。フェリーニもロータ死後、ロータの音楽を一番理解していたと言われていたキー・パーソンであるカルロ・サヴィーナと大喧嘩をし離れてしまい、後の作品にはフェリーニらしさが欠けているような気がします。フェリーニ作品におけるロータの音楽がいかに重要かつ素晴らしかったかが解ります。

ロータ没後20年である今年1999年に発売された企画盤『ベスト・オヴ・ニーノ・ロータ』では、『甘い生活』『アマルコルド』『魂のジュリエッタ』他、数々の名曲が聴けます。この20年を期に、復刻/初CD化して欲しい作品がいっぱいです。

そして99年9月に発売されたこの『FELLINI & ROTA』は、フェリーニ映画に欠かせないニーノ・ロータが、イタリアの映画専門レーベルCAMに残した音源を集めた編集盤です。『道』『甘い生活』『ボッカチオ』などを収録した1枚です。CD化が切望される未CD化の『サテリコン』からの曲も嬉しいです。

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