ロジェ・カイヨワ 「戦争論」 2019年 8月 Nhk100分de名著

NHK100分de名著制作班

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784142231027
ISBN 10 : 4142231022
フォーマット
出版社
発行年月
2019年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
133p;21

内容詳細

人間はなぜ戦争を避けることができないのか

第二次世界大戦後、数年の時点で書かれた本書は、戦争の不可避性を「文明の発展」と「集団的人間の特性」から分析、国際的な反響を得た。二度の世界大戦を経ても、なぜ「懲りない」のか。戦争を惹起する、非合理な人間の全体性とは。国家に飲み込まれない「個」の在り方を、人類学的視点から考える。

目次

【はじめに】 人間にとって戦争とは何か
第1回 近代的戦争の誕生
第2回 戦争の新たな次元「全体戦争」
第3回 内的体験としての戦争
第4回 戦争への傾きとストッパー


著者プロフィール
西谷 修 (ニシタニ オサム) (著/文)
哲学者
1950年愛知県生まれ。東京大学法学部卒業、東京都立大学フランス文学科修士課程修了。明治学院大学教授、東京外国語大学大学院教授、立教大学大学院特任教授を歴任、東京外国語大学名誉教授、神戸市外国語大学客員教授。フランス文学・思想の研究をはじめ、世界史や戦争、メディア、芸術といった幅広い分野での研究・思索活動で知られる。著書に『不死のワンダーランド』(青土社)、『戦争論』(講談社学術文庫)、『夜の鼓動にふれる──戦争論講義』(ちくま学芸文庫)、『世界史の臨界』(岩波書店)、『戦争とは何だろうか』(ちくまプリマー新書)、『アメリカ 異形の制度空間』(講談社選書メチエ)などが、訳書にジョルジュ・バタイユ『非︲知──閉じざる思考』(平凡社ライブラリー)、エマニュエル・レヴィナス『実存から実存者へ』(ちくま学芸文庫)、エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ『自発的隷従論』(監修、ちくま学芸文庫)などがある。

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読書メーターレビュー

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  • れみ さん

    NHK-Eテレ「100分de名著」のテキスト。この本のことはこの番組で取り上げられるまで全く知らなかったけど、二度の世界大戦があった時代に生きた人が戦争について書いたものを知ることができて良かったし、最終回ではカイヨワの書いた以降の内戦・紛争についてもたくさん解説されていて、そこには今までニュースで見聞きするような名前が出てくることもあり、すごく興味深かった。

  • ころこ さん

    戦争は悪だ。確かにそうだが、戦争は人間特有の行為であるため、客観視することができない。実はこの言説も、人間の観察というよりは、人間が戦争に巻き込まれた結果における言明である。その反面、人間は戦争を「聖なるもの」として自他を忘れ、恍惚となる存在だともいえる。バタイユに影響を受けたとあるように、カイヨワの『戦争論』は、他では避けそうな論点に踏み込んでいます。戦争とは何かというよりは、戦争における人間とは何かであり、メタ言説としてその全体を言い得ることが、本当に戦争を考察することになるといっているようです。

  • かふ さん

    原題は『ベローナ、あるいは戦争への傾き』。日本では軍神とされる「マルス」の妻あるいは妹。マルスが勇猛・武勲と戦争の表の面を体現しているなら、ベローナはその裏で血や肉片が飛び散り殺戮の凄惨さ残酷さ憎悪や汚辱を喚起する女神。慰安婦はベローナ?日本の軍国主義はマルスばかり強調されるがベローナを忘れている(隠されている)。産業革命以降に国家間の全体戦争になっていく。封建社会の身分的戦い(騎士道なんて言われている)ではなく大量破壊兵器がもたらす大量殺戮の戦争。

  • nbhd さん

    「歴史的に『戦争は、より気持ちいい』ものになってきた」とカイヨワは書いているようです。戦争で得られる「オレは英雄だ!」といった【個人的気持ちいい】が、近代以降は「戦争って燃えるよね!」といった【宗教的お祭り的気持ちいい】へと変貌。ベースにあるのは、国家による「あなたの承認」と、言葉にできない「聖なるもの」の融合。「オレは英雄だ!」は馬鹿にできるけど、「戦争って燃えるよね!」はなかなか馬鹿にできない。戦争と、会社で働くことは、あまり遠くないことだなと思ったりしました。

  • 歩月るな さん

    「国家がおのれの権利を市民の生命財産により上位のものとして主張することができるのは、戦争の際においてであった。」正に今を戦時下と見なす向きもあるが、それは犠牲を要求する為だと説くカイヨワの語りの重み。ヘーゲル派の哲学や近代の知の巨人たちの中で「戦争」を見つめなおす。退屈な本かと思ったらとんでもない、本当に注釈は例の人々のオンパレード。デリダやラカンの名前もある。バタイユとの関係性も面白い。そしてそのまま「国際社会を形成するに至る戦争の世界史」でもある。凄い。日本の認識で「戦、役、変から戦争」に変わるまで。

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