(続き)とまあ作品論をブちましたが、スコアもまともに読めない自分に巨匠達の比較演奏論などする資格はなく、日々機会をとらえ、よいワインを味わうごとく、大らかに、ひたすら虚心坦懐に聴くのみです。このCDは博識で温厚なかけがえのないドイツの巨匠と、パリパリのアメリカの名門オケとの出逢い、さぞかし玲瓏たる名演が繰り広げられるのでしょうね...ぜひ買いましょう。

この「未完成」のスケールの偉大さは凄い。深遠な広がりと、研ぎ澄まされ凝縮された表現に寒気が走る。４０番も集中力、躍動感を基本に全ての音がサー・ジョン化している

シューベルトの未完成がバルビローリの指揮でで聞けるとは。まさに夢のようである。ハレ管もよく鳴っている。 音質も良好。

ボストン響の豊潤な音色とヨッフムの余裕のある指揮ぶりとが合わさった素敵な演奏。こんな幸せな気分を味わえたは久し振りである。小沢征爾でもさすがにこの響きは引き出せなかった？ とにかく素晴らしいＣＤである。

ヨッフムというとブルックナーばかりに目を向けがちだが、モーツァルトはもっともっと評価されるべきだと思う。この演奏でもボストン響の高貴な音と、ヨッフムの自由闊達でみずみずしい解釈がみごとにマッチして最高のモーツァルトを作り上げている。