はじめのモーツァルトの三曲を有名なシュヴァルツコップのモーツァルト歌曲集の同曲と聴き比べてみてほしい。二曲目、三曲目のルイーズ、クロエではシュヴァルツコップの軽やかで速いテンポの世俗的なうまさにも面白みが出ている気がするが、一曲目のRidente la calmaでのポップの歌の深みと品格の高さはどうだろう。まるで何かが乗り移ったような静けさと神々しさがあるように感じる。シューベルトもまた素晴らしい。ポップの声は明るく澄んでいて力強いが、同時に静かな悲しみを秘めており、潤いと深みがあってエレガントなのである。伴奏も録音も素晴らしい。ありがとう。