フォーリング･エンジェルス

舞台は1969年のカナダ、とある田舎町に５人家族でひっそりと暮らすフィールド家の物語──。父親ジム（カラム･キース･レニー）は元軍人の熱烈な愛国主義者であり、核戦争がいつ勃発してもいいように家族に核シェルターでの生活訓練を強制しているほどだった。また自分の思い通りにならない事が起こると、妻や娘たちに暴力を振るい、物を破壊することも日常茶飯事だった。一方、若かりし頃はダンサーとして将来を嘱望されていた母メアリー（ミランダ･リチャードソン）は、重度のアルコール依存症に加えて緊張症や鬱病といった精神の病に掛かっており、ジムからは外出を厳禁され、家に引き籠っては抜け殻のような毎日を送っていた。

そんな両親のもとで思春期を迎えた３人の娘たち、長女ルー（キャサリン･イザベル）、次女サンディ（クリスティン･アダムス）、三女ノーマ（モンテ･ギャグネ）は、破綻しきった家族関係に悩みながらも、其々が少女から大人になろうとする多感な時期を迎えていた。
父親への反発からリベラル思想へ進もうと心に決めていた長女ルーは、アメリカからの男子転校生にひそかに憧れ、ドラッグやセックスといったヒッピー文化の手ほどきを受ける。また女らしさを売りにして“女の幸せ”を掴みたいと夢みていた次女サンディは、遊び人の既婚者との一夜の火遊びで妊娠してしまう。そして最も奥手だが心優しい三女ノーマはようやく初潮を迎えるが、同級生により同性愛の道に引き込まれそうになり…。そんなある日、母メアリーの身に異変が起こる。そしてその異変を境に、３人の少女たちは大人への階段を一歩ずつ上っていく。

1960年代末を舞台に、美しい姉妹の思春期から大人にかけてを描いた家族ドラマ。元軍人で暴力的な父と重度のアル中の母に反発する3姉妹。ヒッピー文化の影響や、火遊びからの妊娠などを経験しながら大人になっていく。(CDジャーナル　データベースより)