あなたの唇には時々魔力が宿る、スターバト・マーテル、２つのマリアのモテット、他　トフト＆室内合唱団「カメラータ」

マーティン・ルッツ：あなたの唇には時々魔力が宿る

作曲家マーティン・ルッツ[1974-]は基本的にジャズ・ピアニストとして知られている人ですが、この合唱作品では全く違った側面を見せています。
　ここで聴けるのは神への静かな愛であり、とてもロマンティックな音楽です。たとえ現代に書かれた作品であるからと言って、どれもが難解であるわけではありません。例えばこのルッツの『スターバト・マーテル』も、編成はソプラノとテノール、混声合唱とオーボエ、チェロ、ヴィブラホンという変則的なものですが、ここで聴くことのできる音楽はひたすら美しいものです。調性感をぎりぎりまで守りながら、複雑な和声を駆使した神秘的な音楽で、時には彼が得意とするスウィングするリズムも現れます。もちろん完璧にコントロールされたアンサンブルでないと、この絶妙な響きは表現できないでしょう。聴けば聴くほどに深みの増すような作品群です。（DACAPO）

【収録情報】
マーティン・ルッツ：
● スターバト・マーテル (2007)
● 2つのマリアのモテット (1998)
● Hoc est corpus, hokus pokus (2013)
● あなたの唇には時々魔力が宿る (2000)
● 2つの愛の歌 (1999)

　ディッテ・ヘイグナール・アンデルセン（ソプラノ）
　ボー・クリスティアン・イェンセン（テノール）
　マティアス・ロイメルト（ヴィブラホン）
　メッテ・テルマンセン（オーボエ）
　アダム・スタンドニッキ（チェロ）
　ザビーネ・ヴァインシェンク（ファゴット）
　コペンハーゲン・室内合唱団「CAMERATA」
　マルティン・ナガシマ・トフト（指揮）

　録音時期：2013年4月6,7,21日
　録音場所：イサイアス教会
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）