イギリスとフランスの行進曲を集めたCDです。
1960年代前後頃に録音された音源をCD化した物で2012年に発売された『華麗なる世界の行進曲〜輝かしきブラスの響き』という通販限定のボックスセットの6枚目をそっくりそのまま単品販売した内容となっています。
今回の発売にあたって目に見えて音が良くなったとかは感じられませんでしたのボックスを持ってる人には不要でしょう。
但し、アメリカ空軍の録音を除けば、年代を考えれば聴きやすい音質という事も付け加えておきます。
また意外と珍しい作品がいくつか収録されており、そういう意味でも貴重な一枚です。
演奏団体は、登場順に、アメリカ空軍軍楽隊(指揮:ジョージ・ハワード)東京吹奏楽団(指揮:山本正人)パリ警視庁音楽隊(指揮:デジレ・ドンディーヌ)で、この中で一番良い演奏なのは、ドンディーヌ率いるパリ警視庁音楽隊の演奏。
全曲お国物の、フランス行進曲なのですが、あのギャルド等で聴かれたフランス独自の楽器編成による明るいパステル調のサウンド、ファンファーレ隊も参加したその演奏は、力強く、聴き手の心を一瞬で掴んでしまう名演奏です。
また、山本正人指揮の東京吹奏楽団、相変わらずあたりはずれはありますが、ヤング『続け』や、独自のアレンジがなされた『ロレーヌ行進曲』はなかなか面白い快演。
アメリカ空軍軍楽隊は、技術面では最も安定していますが、この中では良くも悪くも普通。
とはいえ、3団体とも現在の演奏団体にはなかなか出す事の出来ない味があります。