Mwinda〜アンゴーラの光

トニー・アレン参加！
アンゴーラ出身の美声親指ピアノ奏者がパリで作った優雅なアフロ・ポップ

　アンゴーラ出身、パリ在住のシンガー・ソングライター／親指ピアノ奏者ルーレンドの最新作が到着しました。アンゴーラの伝統的なダンス音楽センバをルーツに多彩なアフロ・ポップを持ち前とするルーレンド。この新作はアフロビートの巨匠トニー・アレンを始め、優れたパリ在住のアフリカ系ミュージシャン達による表情豊かな演奏も魅力的な、良質なアフロ・ポップ・アルバムに仕上がりました。
　アンゴーラは15世紀よりポルトガルの植民地としてブラジルへの奴隷貿易拠点として利用されていた歴史があります。他のアフリカ諸国から遅れて1975年に独立を果たすも、以降は内線が続き、2002年にようやく平和が訪れました。その後はアフリカ一の経済成長を遂げて海外企業から注目を集めていますが、現在でも世界最悪といわれる多量の地雷の放置や政権腐敗、格差拡大に苦しんでいます。そういった国の歴史もあり、アンゴーラ出身のミュージシャン達には国外に亡命して活躍している者が多くいます。その代表格が近年も元気に活躍中のボンガで、彼は70年代から在外ポルトガル植民地出身者達を中心に大きな成功を得ています。ボンガがルーツとした音楽のひとつがアンゴラの伝統ダンス音楽センバでした。ブラジルのサンバの語源とされるアンゴラのセンバは、アンゴラが持つポルトガルの植民地としての歴史を色濃く残した多様なクレオール音楽です。
　ルーレンドことルーレンド・ンヴルは、アンゴーラ北部のマケラ・ド・ゾンボにコンゴ人（国籍ではなく民族名）の家系に生まれました。祖父に親指ピアノの手ほどきを受けたほか、センバやラテン音楽、フォークにコンゴのルンバなどの影響を受けて、首都ルアンダで育った彼でしたが、成人した80年代に内戦を逃れてパリに亡命しています。パリでは現地のアフリカ音楽シーンに参入し、ルアンダ時代以上に多様な音楽を吸収、様々な国の音楽家と交流して自身の音楽性を築いてゆきました。そして1999年に仏Buda Recordsからシングル・デビュー、これまでに３枚のアルバムをリリースしてきました。ソフトなハイ・トーンの美声を持つ歌手として、メロディアスなポップ・ソングを作るソングライターとして人気の彼はまた、自身の民族の伝統的な楽器キサンジ（親指ピアノ）の演奏者としても評価を得ています。
　本作は10年ぶりとなる４作目のアルバム。独立戦争以前にアンゴーラの経済を支えていたコーヒー豆の販売所をジャケットにあしらい、ルーレンドのアンゴーラ・ルーツを強く感じさせる本作は、トニー・アレン作品に多数参加しているギタリスト、インディ・ディボングがプロデュースを手がけています。パリ在住のアフロ系ミュージシャンが多数参加した、センバをベースにした剛柔表情豊かなサウンドにのせ、ルーレンドはのびのびとその美声を聴かせます。また御大トニー・アレンも２曲に参加、その独特のリズムを提供しています。もちろん、ルーレンド自身のキサンジの演奏も重要な要素で、時にエフェクトをかけてインパクトのあるサウンドを奏でています。
　アルバム・タイトルはリンガラ語で「光」。まさに眩い光が差すような、優雅なアフロ・ポップ・アルバム。多くの方の耳に届いてほしい作品です。
(メーカー・インフォメーションより)