Entrelaco

ピアノ、アコースティック・ギター、そして美声♀vo.の鮮烈なユニゾンが、 すべてを包み込む長編ドラマティック・ブラジル詩情。
ミナス〜アルゼンチン･ネオ･フォルクにも通じる、澄みきったサウンドに心酔する高尚芸術の世界。

クリアな美声と情感溢れる謡口で､知る人ぞ知るブラジル♀ヴォーカル･シーンの本格派シンガー、アナ･ルイーザ。そのキャリアは知る人ぞ知るところであるが、遡ること10余年の1998年、当時MPBシーンの気鋭アーティストを発掘して注目されたDABLIUレーベルから、今回コンビを組む硬派ピアニスト、ルイス・フェリーペ・ガマのプロデュースで、スタジオ・ライブ盤をリリースしMPB通から俄かに注目された。さらに2006年には、同じくルイス･フェリーペ・ガマとのデュオ名義で「LINHA D' AGUA」をインディペンデントからリリース。流れる水の如く流麗で澄み渡るサウンドで、コンビのポリシー示した名作として記憶されているMPBファンも少なくない。

タイトルを「「ENTRELACO」(融合)としたこの2011年作品で、アナとルイスのコンビが実に5年ぶりに復活した。新作の今回はコンビに加え､サポート･プレイヤーに、エリス･レジーナの70年代後期から晩年を支えたセッション・ギタリスト名手ナタン・マルキスを迎え、ピアノ／ヴォーカル、そしてギターが織り成す感動的なアコースティック･セッションに仕上がった。作曲家としても才覚を発揮するルイスのオリジナルは、デルシオ・カルヴァーリョやワグネル･バルボーサ、そしてナタン・マルキスとの共作を含む本編の多くで美しい旋律を湛え、ピアノの研ぎ澄まされたタッチに呼応するかのように、深い愛情で歌い綴るアナのクリアなヴォイスと､ナタンの表情豊かなギターが重なり合い、至福の音世界を創出。さらに、ミルトン・ナシメント＆ネルソン・アンジェロの隠れた名曲「Testamento 」、隣国アルゼンチンのメロディ・メーカーであるレオン・ヒエコのカバー「Cinco Siglos Igual」、そして諸所で挿入されたルイス／アナのポエトリー・リーディングもアクセントとなり、すべてを包み込むドラマティックな展開の全31トラックの長編作品。

ブラジルMPBの本質的な美意識を象徴するこの音は、ブラジリアン・ジャズや、昨今のアルゼンチン･ネオ･フォルクローレにも通じる南米高尚芸術の世界を表しているといっても過言ではない。
（メーカー資料より）