クールジャズと呼ばれ冷たい音色でバラード曲〜ハード系演奏の印象を受けるアルバム１枚です。スタンダードな（ビバップ、ハードバップの）演奏も紛れ込んでいます。好き嫌いはやや分かれ易いと思います。

レニー・トリスターノ、1955年の録音で数少ないリーダー作の一枚。共演者はベースがピーター・インド、ドラムがジェフ・モートン。もう一つのユニットでアルトサックスがリー・コニッツ、ベースがジーン・ラメイ、ドラムがアート・テイラー。アルバムジャケットの写真、耳が無かったらバットマンだ。ジャズを普通に楽しんで聴いているぶんには関係がないアルバムなのだろうか。ジャズ理論まで行ったあたりにレニー・トリスターノが出てくるのだろうか。演奏の前半と後半で同じ派とはいえ、雰囲気がまるでちがって面食ってしまうが、これがいわゆるトリスターノ派の開祖のまぎれもない音で緊張する。

クールでかっこいい、ジャズを聴くなら、これをお薦めする。 ピアノトリオのジャズは、数回聴けば飽きるのだが、この人はピアノはピアノなのだけれども、バンドの中のピアノ担当という感じで、さして際立っているわけではない。 飽きないジャズを聴くならお薦めです。 現在、車の運転中のヘビロテになっています。 エバンス、バド・パウエルなどのサウンドをイメージすると、いい意味で裏切られます。 冒頭の部分はモンクを思い起こした。 ちなみに中山康樹著の「硬派ジャズの名盤５０」にも選ばれています。

トリスターノ初期音源の編集盤としては最も秀逸なものだと思います。価格も良心的で、別テイクを悉く収めているのがポイント。テイクによってまるで内容が変わるからです。音質も良好。

　トリスターノの数少ない録音の中の、さらに数少ないリーダー作の中の１枚です。