Plays In The Spirits Of Maynard Ferguson

血管ぶち切れてしまいそうなハイ･ノートが炸裂です。デビューからもう15年以上を経過するLasse Lindgren。92年にエスビヨン･スベンソンをバックにした作品以来、着実な活動を展開し、現在はスウェーデンの名門ビッグ･バンド、ボヒュースレン･ビッグバンドで活躍中。2007年の作品は、ビッグ･バンドに加え、カルテット、ヒップ･バップ･ユニットと3つのユニットでの作品でしたが、今回はビッグ･バンド一本で、堂々勝負。しかも、67年以降実際メイナード･ファーガソンのグループやディジー･ガレスピーのバンドで活躍したErnie Garsideを共同プロデューサーに迎えてのファーガソン･トリビュートとなるから、ただのローカルな演奏などとは一線を画す内容です。

実際、楽器の演奏能力が恐ろしく高いスウェーデンの面々。2001年に結成されたグループで、うねるエレベ、煽るドラム、金管の響き炸裂なブラス！これで、オープニングは、ザビヌルのおなじみ｢Birdland」ロリンズの｢Airgin」とご機嫌なナンバーを立て続け、極め付きはロッキーのテーマ「Gonna' fly Now」！！カオティックなベースとエレピの間から飛び出すファンファーレ？には思わずニヤリです。前作もビッグバンドで、迫力満点のハンコックナンバーを聴かせましたが、ヴァージョン･アップした感強しの一作。最後まで一気に聴かせ切ります。

Lasse Lindgren(leader tp, v-tb他), Robin Rydquist, Johan Holmberg, Fredrik Hakansson(tp), Lars-Goran, Damle, Niklas Rydh(tb), Johan Borgstrom(as,ss), Bjorn Skane Cedergren(te), Jens Nilsson(ts), Erik Kristofferson(bs), Johan Johansson(p,key), Owe Almgren(el-b), David Sunby and Goran Kroon(ds)