D.n.a.

今、MPBシーンでリリース・ヒットが最も見込めるとされ、不動の名声を打ち立てつつあるシンガー、
ジョルジ・ヴェルシーロの通算8作目｡ミルトン･ナシメントとの共演！

今、MPBシーンでリリース・ヒットが最も見込めるとされ、不動の名声を打ち立てつつあるシンガー、ジョルジ・ヴェルシーロ。通算8作目となる2010年スタジオ・アルバムは、タイトルが「D.N.A.」。シンガーとして、そしてミュージシャンとして先天的な己の素質を改めて問質し、今彼が最も表現したい歌が封じ込められた注目作である。

今回、コンポーザー・パートナーに選んだのは気鋭のアレシャンドリ・ホーシャ。「白いジャヴァン」と評されたほど、爽やかで印象的なヴォイスから繰り出されるレパートリーの数々は、POPで親しみやすい中に、以前に増して、よりブルージーでリズミカル、さらにはアダルトな風情も漂わせた新気質。冒頭にハイライトを作るこれまで同様のアルバム・コンセプトに準え、今回はなんとミルトン・ナシメントとの共演が実現したM1、後半では、フィロー・マシャードが加わったM11も聞きモノ。ラストのボーナス・トラック“Deve Ser”は、ライブ・アルバムでも取り上げられ、TVグローボの人気ドラマの主題歌にもなりヒットしたドゥドゥ・ファルカォン作の名曲。タイアップが功を奏すブラジルの中にあって、アーティストとしての存在感も充実を極めるジョルジ・ヴェルシーロ。その「DNA」を、この1枚に覗くことができよう。