Above All

キャリアの初期、またスタートは80年代のこと。数々の若手アーティストが通る道であった、アート・ブレイキーのバンドにシット・インしたりしてその存在をアピール。90年代には3枚のリーダー作品をリリース。94年にはCriss Crossから、96、97年と続けてEnjaから2枚の作品をリリース。ジョシュア・レッドマン、またマーク・ターナーの名前も全面的に参加していたわけであり、そんな事実からも当時の活躍ぶりが想像されることでしょう。

それからもう15年。時の移り変わりの早い昨今では、「復活」という言葉になるのでしょうか。2010年12月録音、エド・ハワード、ヴィクター・ルイスという申し分のないリズム・セクションとトリオ作のリリースになりました。エレガントで強靭にしてしなやか。エド・ハワード＆ヴィクター・ルイスのコンビと言えば、デヴィッド・キコスキーとの変貌自在のトリオのバックを務めたことでも、ファンの心をつかむコンビ。またヴィクター・ルイスといえば、職人。カーラ・ブレイの繊細なアンサンブルを影で支える演奏には唸るものがあるもの。そんなルイスの美しいシンバルワーク、ピアノのフレーズときっちり絡むベースのラインに支えられ、オープニングから掴みも抜群！ スウィンギーな楽曲に続く、世界観を湛えたバラードM-2は正に彼らの真骨頂とも言うべきトリオ・サウンド。全11曲オリジナルというのもキングの気概を感じる所。最高のリズム･セクションで自らの表現を追求した力作です。

Jonny King (p)
Ed Howard (b)
Victor Lewis (ds)