John Tchicai

追悼ジョン・チカイ（1936 - 2012）
STORYVILLEに残された貴重音源 2タイトルをカップリングにて初CD化！

去る2012年10月8日に亡くなったジョン・チカイ、享年76歳。彼の偉業を称え、ストーリーヴィルよりLPのみで発表されていた2作品が初CD化！どちらもジョン・チカイ＆ストレンジ・ブラザース名義で発表されていた、1977年3月15日、29日録音の『DARKTOWN HIGHLIGHTS』と1987年11月10〜14日録音の『PUT UP THE FIGHT』をカップリング。

実は、この初CD化の話は本人の生前から計画されていたもので、チカイ氏本人も当初から喜んでCD 化のプロジェクトに加わっており、音楽評論家 Andrey Henkin 氏の、今回のライナー・ノーツの執筆も、チカイが自ら依頼したもの。

コンゴ出身の父を持つデンマーク生まれのジョン・チカイは50年代からジャズ・ミュージシャンとして活動。1962年にはNYに移住。その期間、録音に参加した作品群は、彼のその後の名声を決定付けます。ジョン・コルトレーン晩年の問題作「アセンション」やアルバート・アイラー、ドン・チェリーらとのセッションによるESPレーベル史上屈指の名盤「New York Eye & Ear Control」などに参加。そして、アーチー・シェップらとNYで結成した伝説のアンサンプル”ニューヨーク・コンテンポラリー・ファイヴ”と共に、地元デンマークを始めヨーロッパ・ツアーを行いました。チカイが単独名義でアルバムをリリースし始めるのは70 年代後半から。この頃、既にハタヨガや瞑想にハマっており、曲のタイトルなどに、その影響が見て取れますが、CD-1（1977 年スタジオ録音とカフェ・モンマルトルのライヴ）は、60 年代の勢いそのままのフリー・ジャズ色強い演奏。前述の諸作品がお好きな方は全員必聴の名演です！それから10 年経った1987 年に録音されたCD-2 は、ラテンやアフリカ音楽などのワールド・ミュージック風アプローチに、シンセやエレベなどをフィーチュア。牧歌的メロディとファンキーなアレンジによるピースフルなサウンド。ラストのM-12「Yoke Them Johnny」は当時亡くなった南アフリカ・ジャズ界の巨匠ジョニー・ダイアニに捧げたもの。この辺りのナンバーは当時の南ア・ジャズ・シーンの影響を感じさせます。

この2枚組CDは、ストーリーヴィル・レーベルに残された、地元デンマーク人ミュージシャン達とのセッションと言うくくりで編集されたものですが、それぞれの時代における音楽的変遷が如実に現れ、見事なコントラストを作り上げている素晴らしいカップリングCD です。(インフォより)

CD-1
John Tchicai (ss,as,bamboo-flute)
Simon Spang-Hanssen (ts)
Peter Danstrup (b)
Ole Romer (ds)

CD-2
John Tchicai (ts,ss,bcl,vo)
Peter Danstrup (bass guitar , syn)
Bent Clausen (vib, perc, g ,syn)
Ole Romer (ds, perc, el-g)