3曲目「closer」は抑えた感じのボーカルパートと間奏のエモさが堪らない。また、エリオット・スミスのカバー4曲目もオススメ。

久しぶりに引っ張り出して、聴いてみた。 彼らは今でも素晴らしいバンドだけど、やっぱりこの頃は格別だ。 SWEETNESSはもちろん、他にも名曲がたくさんある。 彼らがいて、このアルバムがあって、その後の音楽シーンがあった。そういう次元の作品。

SweetnessやFuturesの様な一発でガツンとやられる曲はほぼないので、一聴しただけだと肩透かしをくらった気持ちになりますが、落ち着いて聞いてみると、地味だがしかし粒ぞろいの名曲が多く入っています。Bleed Americanのようにアルバムを通して爽やかな女性コーラスが取り入れられており、ジムの爽やかな声ともマッチしていていい感じです。個人的にはほぼデュエットなM6がお気に入り。

JEWのアルバムは後半ダレるし、メロディも結構ピンキリあると前作まで聴いて思ってた（曲単位では神曲もチラホラあるがね。）しかし、これは凄まじく良い！！やっと☆を５つ贈呈する気分になった。彼らのアルバムの中でもずば抜けてるな、オレの過去の再評価につながりそうだ。これを超える作品は彼らも作れない気がする。

初っ端の透明な空気感がアルバム全体に通して感じられます。Chase This Lightのようなポップさも残しつつ、キャッチャーさは押さえてオトナで深みのある雰囲気があります。 タイトル曲はClarityを彷彿させられました。

マニア向けでしょうけど、マニアは必携の一枚です。

前作よりはいいけど、その分勢いが無くなった感じがします。明らかにバンドは過渡期に差し掛かっていますが、その後「ＣＨＡＳＥ〜」ではバンドの方向性が見えて来ています。作品を出す毎に良いバンドだなぁ、と言う印象を持ちます。不良っぽいバンドが多い中で、これだけ真面目に生きてる、みたいなイメージを聞き手に持たせるバンドも珍しいです。音だけでなく、生き様を感じさせて、ほろりとさせられる稀有な連中です。

多くの作品が一曲目の雰囲気で語られてしまう危険性が有るにも拘らず、エモの代表とも言える彼等が、この出だしでこのアルバムをスタートさせたのは、奇をてらうと言う訳でなく、それぞれの楽曲に対する自信の表れでしょう。それを実証するかの様にこのアルバムに収められた一曲一曲がきら星の様に存在感を示しています。このバンドの音楽に対する真面目さがひしひしと伝わり、感動で涙ぐましくなります。

彼等の代表作の様に言われてますが、私は一番聞かなかったアルバムです。「ＳＡＤＮＥＳＳ」が強すぎて、他曲に見栄えがしませんし、売れ線が多すぎる気がします。ＪＥＷの最高の楽しみである清々しさが感じられず、聞き終わった後に多少食傷気味になります。勿論通常レベルで考えればかなりのハイレベルでの注文では有りますが、他が良いとどうしてもそっちへ行ってしまいます。

彼らのアルバムで一番聞く事になりそうです。「SADNESS」の様なコマーシャルな曲は無いですが、彼らの真面目な取り組みが各曲に素直に現れていて、とても清々しい気持ちにさせてくれます。こういう作品は素晴らしいです。作ろうと思ってもなかなか出来ない代物です。このバンドのこれからにも期待出来ます。