Con La Guitarra De Oscar Aviles

●『ラ・グラン・レウニオン』シリーズのヒットやチーチャの復刻などによって、ますます注目の集まるペルー音楽。そんな状況の中、ミュージック・マガジン誌とレコード・コレクター誌のそれぞれで、輸入盤紹介されるやいなや、各店よりお問い合わせご注文が殺到した、ペルー音楽復刻決定版が詳しい解説を付け日本盤で登場いたします。ペルーの５大クリオーヨ歌手の一人に数えられ、昨年2010年４月に89歳で亡くなった女性歌手ヘスス・バスケスの録音集です。

ヘスス・バスケスは、19歳の時にはすでに「カンシオーン・クリオーヤの女王と貴婦人」という称号で舞台に立ち、特にペルー・クリオーヨ音楽初期を代表する歌手として中南米、U.S.A.まで公演して回りバルス・ペルアーノを広めました。1930年代というとムシカ・クリオーヤがフェリーペ・ピングロらによってポピュラー音楽として完成した時期に当たり、ヘスス・バスケスの可憐な歌声がその成立に大きな影響を与えたというわけです。

●本アルバムはソノ・ラディオ・レーベルに1950年代に残されたアルバムの復刻で、バックのギターは、名手オスカル・アビレス。アビレスと言えば、モロチューコスやサンボ・カベーロとの共演で名演を数々残しペルー最高のギタリストとして歴史に名を残すアーティストです。ここでもアタックの強いしかし陰影に富んだ演奏で、若きヘスス・バスケスをバックアップ。ベルスを中心にマリネーラ、トンデーロも聞かせます。
●その女性らしい可愛らしい声で軽快に且つ切々と歌う歌唱は、クリオージャ音楽の混血性を軽々と具現化してくれているようです。

●ギター（２台）のみの伴奏による清楚で可憐な女性歌手の素朴な歌は、同じくペルーのチャブーカ・グランダやキューバのフィーリン、ブラジルのボサ・ノヴァやアルゼンチンのフォーキー系のSSWなどと同種の極上アコースティック・サウンドとしても十分お楽しみいただけるものです。