ロックというものは、全てが、純粋にロックであって欲しいと、近頃、思う。Jeeptaのｾｶﾝﾄﾞｱﾙﾊﾞﾑ『リードオフマン』は、まさに、その思いへの答えのようである。一曲目の｢グリム-episode0-｣で、一気に、ハードロックの世界に、引きずり込まれ、｢Back alley cat｣では、その世界がどんどん進化してくる。よりハードに、より繊細に、Jeeptaのバンドサウンドは磐石なリズム隊に安定感のあるGt.Vo.。それに絡む、妖艶なギター。ガレージもHR/HMもプログレも踏襲していて、やっぱりJeeptaなのだ。｢戦人｣の和ロック的は、名曲｢心｣(傾向と対策)を彷彿させ、Jeeptaとして外せない。バンドの中でお互いのプロデュースが、上手く機能していると思われる。｢グリム｣の精神世界や｢白無垢｣はどの音も、音色、大きさ、リズム、タイミング計算されて、必然の中に置かれている。一発録りというから、Jeeptaのライブの安定感が分かる。但し、ライブは、決して同じ演奏はしていない。CDを聴いてライブを見に行くとそのクオリティーが分かる。歌詞では、決意を語って憚らないが、そのままで、オーディエンスに十分に伝わる。少年少女たちはライブを見て、目を輝かせ、自らの明日を主体的に生きて行ってほしいと思う。

＝『革命エントランス』その傾向と対策＝人間は、どんな環境でも、成長し続けているものらしい。だから、自らの思いを、ストレートに乗せた歌詞に、何かしらの共感を覚える。一曲目から激しく、決意表明。そしてシングルになった、｢日進月歩｣｢理想郷｣によって、否応なしに、心をつかまれたら、｢革命エントランス｣に導かれて、より、変幻自在な、Jeeptastyleの世界に辿り着く。和メロ、ハードロック、jazz、どんな、テイストでも、｢〜っぽい｣｢〜みたい｣というのが、全く無意味なくらいJeepta独特の曲になる。表現力のあるVo、惹き付けられるメロディー、印象的なイントロやリフ、シャープで叙情的なベース、情熱的で正確なドラム、ツボにはまったら、出られない。運命的に今のメンバーが、集結し、それぞれのパートのminからmaxまでの幅が広がり、そしてスキルもお互い、高めあってきたであろうことが、このアルバムで、容易に感じられる。ライブでどのような、パフォーマンスを見せてくれるのか、期待大である。しかし、ライブに行かなくとも、CDで、じっくりと、繊細に作られた音の駆け引きを味わいたい。

―こんな、世の中だから、「理想郷」を夢見たい。― デビューシングル「日進月歩」から、たたみ掛けるように次のシングルの「理想郷」がリリースされた。 イントロの16ビートで引き込まれて、サビまで、一気にきかせてしまう。Jeeptaの曲は、静と動のバランスが、絶妙である。 「理想郷」は、さらに、進化し、2コーラスからの、展開が、目眩くギターリフによって、高揚感を最後まで、引き上げていく。 紛れもない、バンドサウンドなのだが、演奏力の高さと、Jeeptaらしい、印象的なメロディが、心を捉える。 そして、韻を踏んだ歌詞に乗って、説得力のある、歌唱は、理想郷に、行けそうな、ワクワクした気持ちにさせてくれる。 一方、カップリングの「When You Wish Upon a Wind」は、今までになく、コーラスと爽やかなメロディラインが、きれいで、心地よい。