In Movement

ジャック・ディジョネットの冒険的な新しいトリオの第1弾作品が登場。

50年前にジョン・コルトレーンのグループにゲスト参加、そこで今回一緒に組んでいるラヴィ・コルトレーンの父と、マシュー・ギャリソンの父である名ベーシストのジミー・ギャリソンと演奏していたディジョネット。本作はコルトレーンによる哀切な演奏から始まる「Alabama」でスタート。他にもマイルス・デイヴィス『Kind Of Blue』のに収められたビル・エヴァンスの「Blue In Green」に取り組んでいる（ディジョネットはマイルスとエヴァンス両方のバンドで活躍した数少ないミュージシャンの一人）。そして 今年2月に逝去したモーリス・ホワイトへの追悼になってしまった、アース・ウィンド＆ファイヤーの「Serpentine Fire」も収録。ちなみにアースの初期にディジョネットはコラボを果たしている。ほか、「The Two Jimmys」はディジョネットのオリジナルで、ジミ・ヘンドリックスとジミー・ギャリソンへのオマージュ。さらに、「Rashied」は、同じくコルトレーンのバンドに参加していた偉大なドラマー、ラシッド・アリへのトリビュートとなっている。

アルバム・タイトル楽曲を聴くと実感するが、このバンドはまだまだ前身していく要素のあふれたバンドでとてもパワフル。ラヴィとマットにとって、本作はECMデビュー作品となり、2人ともディジョネットのライヴ感あふれるドラミングに見事に応えている。ラヴィのソロは素晴らしく、またマットによるベースと創造力あふれるエレクトロニックのループも新鮮。ディジョネット曰く、「僕たちはパーソナルな部分も含めとてもつながりが深く、それは音楽にも表現されてくると思うんだ」とのこと。本作品は2015年10月にNYのAvatar Studiosでマンフリート・アイヒャー プロデュースの下で録音。

Jack DeJohnette (ds,p,el-perc)
Ravi Coltrane (ts,ss)
Matthew Garrison (el-b,electronics)