満足の文化 ちくま学芸文庫

J.k.ガルブレイス

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480096050
ISBN 10 : 4480096051
フォーマット
出版社
発行年月
2014年05月
日本
追加情報
:
212p;15

内容詳細

ゆたかな社会を実現した先進資本主義社会では、政財官学が一体となり、ゆたかな人びとの満足度を高めるための政治が行われる。選挙で勝つために、そして最終的には超富裕層をさらに富ませるために。結果、彼らを潤す規制緩和や金融の自由化が急務となり、増税につながる福祉の充実や財政再建は放置される。経済学はトリクルダウン仮説、マネタリズム、サプライサイドエコノミクスなどで政策を正当化し、その恩恵が国全体にも及ぶかのように人びとを洗脳する。かくして度重なる選挙でも低所得層の叫びはかき消され、経済格差が固定化されていく。異端の経済学者ガルブレイスによる現代の資本論。

目次 : 満足の文化/ 満足の社会的性格―その概観/ 下層階級なしには社会は機能しない/ 課税と公共サービス―ねじれ効果/ 金融荒廃の放任/ 官僚症候群/ 経済学の適応/ 満足の外交政策―遊戯と現実/ 軍部の拡張/ 満足の政治/ 将来の予測/ レクイエム

【著者紹介】
J・K・ガルブレイス : 1908年カナダ生まれ。経済学者。カリフォルニア大学バークレー校を卒業後、「フォーチュン」誌編集委員などを経てハーバード大学教授、アメリカ経済学会会長、インド大使などを務める。2006年逝去

中村達也(書籍) : 1941年秋田市生まれ。一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了。千葉大学教授、中央大学教授を経て、中央大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 壱萬弐仟縁 さん

    1992年初出。著者は人生のほとんどを自己満足的な満足せる人々の世界の中で過ごしてきた(022頁)おめでたいお方。どんな境遇でもこれでいきたいもの。下層階級の大部分は少数民族、黒人、ヒスパニックで、彼らが恵まれた人々の生活を支えていることはあまり認識されていない(042頁)。これに類似する発想で、格差は悪くない、などという暴言につながるのであろう。景気後退、不況の特徴が094頁辺りに書かれている。随所に何度か音読してみる箇所があるなど、文庫の中に凝縮された思想のエッセンスが散りばめられている好著である。

  • ophiuchi さん

    92年に書かれたもので、テロやポピュリズム政治家の増加など現在の状況をかなり正確に予測していて驚いたし、ピケティが書いた「21世紀の資本」の着想はここにあったのではないかとも思った。経済学者の未来予測ほど当てにならないものはないと思っていたが、ガルブレイスは別格だったのか。

  • ラウリスタ〜 さん

    「異端の経済学者」ガルブレイスの1992年の本。かなり鋭い現代批判。生活保護すると貧困層は働かなくなる→じゃあ、なんで超富裕層は保護されても怠惰にならずに済むというのか!「機能上不可欠な下層階級」の暴露。いまや大多数となった満足した階層がいかに、減税を良心の呵責なく主張するのか。なぜ、アメリカは軍事費にはどれだけでも金を使っても許される社会なのか。満足する多数派が現状維持を試みる「官僚的」市場と選挙。勉強になる。

  • 砂王 さん

    日本でも満ち足りた人々の政府になっているとおもう。日本の人口分布を見れば、行政の予算がどこに降りているかは一目瞭然であり、選挙に行く年齢階層を見れば納得です。恵まれた人たちの生活水準を、下層階級に依存し始めているのも間違いない。現状維持を望む人が過半数以上続く限り、何もしない政策優位が続くのだろう。日本はダメになってしまう。わたしはダメにはなりません笑

  • Ex libris 毒餃子 さん

    トランプ大統領までを予見したかのような内容でビックリ。アメリカの社会構造が常に持っている問題を分析した本。

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