ミレニアム・ピープル 創元SF文庫

J・G・バラード

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784488629175
ISBN 10 : 4488629172
フォーマット
出版社
発行年月
2018年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
416p;15

内容詳細

首謀者不明のうえ犯行声明もなかったヒースロー空港の爆破テロに巻き込まれ、精神科医デーヴィッドの前妻ローラは無意味な死を遂げた。デーヴィッドはテロの首謀者を突き止めようと試みる中で、医師グールドが主導する、高級住宅街チェルシー・マリーナの住民による目的なき革命計画の存在を知る。20世紀SF最後の巨人バラードによる黙示録的傑作。

【著者紹介】
J・G・バラード : 英国を代表する作家。1930年、上海生まれ。「人間が探求しなければならないのは、外宇宙ではなく、内宇宙だ」として、SFの新しい波運動の先頭に立った。終末世界を独自の筆致で美しく描き出した“破滅三部作”と呼ばれる『沈んだ世界』『燃える世界』『結晶世界』や、濃縮小説と自ら名づけた手法で書き上げた短編を発表し、その思弁性が多くの読者を魅了した。2009年没

増田まもる : 1949年宮城県生まれ。早稲田大学文学部中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 踊る猫 さん

    渡邊利道氏が解説でアメリカの同時多発テロと本作との影響を指摘しているが、私は如何にもイギリスでなければ生まれなかった小説なのかもしれないなと思った。ミステリとして読めるが、そう読むと手つきが下手に感じられて面白くない。むしろこれでもかと繰り出される「ヴィジョン」を、そのフラットさにたじろぎながら読むこと。それが求められているのではないか? バラードはSFの分野/文脈で読まれるがとんでもない。まさに(例えば通り魔殺人に揺れる日本で読めば)「リアル」を先取りした作家であることが痛感させられるはずだ。村上龍的?

  • かとめくん さん

    自分の理解した範囲で言えば、イギリスの中産階級の人々が感じる閉塞感を打ち破るための手段として無差別な暴力を選択させ、さらに深い混沌へと導こうとする者たちと、無差別テロに巻き込まれながらその考えに囚われていく主人公の話。中産階級者が閉塞感を感じるのはわかるが、じゃあどうしたいのかが伝わってこなかったので、自分的にはあまり共感ポイントが無く入り込みにくい作品だった。一部の首謀者グループに踊らされただけと言えなくもなく、社会の必然から発生した革命とするには無理があるように思える。

  • イツキ さん

    中産階級と呼ばれる貧困ではないが特別裕福でもない人々がこれといった強い信念もなくテロリズムに走りはじめる事が非常に印象的でした。必死になって生きるほど経済的、立場的に追い詰められているわけでもなくかといって悩みもなく生きて行けるほど幸せでもない人々の逃げ場としての無意味な暴力行為は現代の殺人事件にもどこか通じるものがあるような。明確な生きる理由や拠り所がない人間の不安定さをまざまざと見せつけられたように感じました。

  • kurupira さん

    JGバラードの作品を読むといつも息苦しさや蒸し暑さを感じてしまう。それはきっと有り得ないない設定だと理解しつつも、ひょっとしたら起こり得る世界を描いているからか。本作もさらにネットなどで匿名性がみたされれば、中流階級の不満からふとした事をキッカケに実際に起こってしまうのでは?? 日本なら、、猛暑でも働いてる不満とかからも起こるかも、、今朝の山手線の通勤ラッシュで読み終えてから思った。。(各省庁が進めるテレワークウィーク初日なのになんでこんなに電車混んでるんだーー、でも座れたから読み終えれた。)

  • 塩崎ツトム さん

    「プレ伊藤計劃」とでもいうべき黙示録的光景。みんながなにをどうすればいいかわからず、ブルジョア階級は下流への転落の予兆に震えている。本書が執筆された際の日本もちょうど格差や中流階級の転落がピックアップされるようになった時代だった。「大英帝国にはなんでもあります。だけど希望だけがないんです」。アメリカ型消費社会への冷徹な視点も切れ味がするどい。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品