Canta Sus Canciones / Cocktail

キューバのフィーリンを代表するシンガー・ソングライター、フランク・ドミンゲスの名盤２枚を2in1。ルイス・ミゲル、トリオ・トレス・アセス、カエターノ・ベローゾといったラテン世界のスターから、ナット・キング・コール、フリオ・イグレシアスという世界的なスターまでがカヴァーしてきた名曲「Tú me acostumbraste」の自作自演を含む、名クルーナー歌手のジャジーな名録音の数々。

ホセ・アントニオ・メンデス、セサル・ポルティージョ・デ・ラ・ルス、グユン、ニコ・ロハス、マルタ・バルデースといった音楽家のアルバムが発売され、それぞれがロング・ヒットを記録し、多くの音楽ファンに認知されるに至ったキューバのフィーリン。

1940年代後半〜、キューバで興ったヴォーカル・ミュージックを中心としたモダーンなムーヴメントであるフィーリン。フランク・ドミンゲスは、その中心人物であったアンヘル・ディアスの誘いによって1950年前後にフィーリンの集まりに誘われ、その後すぐにその才能が認められ、ラジオやキャバレーにピアノ弾き語りで出演するようになりました。

フランク・ドミンゲスの音楽は、フィーリンの作曲家、歌手の中でも一番スモーキーで、ラウンジやバーなどにマッチする雰囲気を持っていて、当時“U.S.A.の裏庭”などといわれ、夜ともなるとカジノやショー・キャバレー、ナイト・クラブなどのネオンがひしめいていたハバナでヒットを連発しました。

本復刻アルバムは、フランク・ドミンゲス最大のヒット曲“Tú Me Acostumbrasteｓ”の自演を含む1958年発売のファースト・アルバム『CANTA SUS CANCIONES（カンタ・スス・カンシオネス）』と1960年代前半に女性歌手マルタ・フスティニアーニをフィーチャーして製作されたセカンド作『Cockta（il カクテル）』のそれぞれ全曲を復刻収録した2in1スタイルの復刻作です。
●ピアノ、ヴィブラフォン、ベース、ドラム（ブラシ）という編成で全編自作を歌う『CANTA SUS CANCIONES』は、フィーリン史上もっともジャジーなサウンドと、フランク・ドミンゲスのスモーキーで独特に枯れた味わいの喉が
絶妙にマッチした名盤です。

一方の『Cocktail』は、フルストリングスとブラスを擁したフル・オーケストラのバックを中心に、フランクのソロやマルタ・フスティニアーニのソロ、曲によってデュエットなども交えたゴージャスなもの（曲により、ピアノ弾き語りも）。しかしそんな豪華なバックでありながら、全体を覆っているのはやはりジャジーな感覚で、こちらもフランク・ドミンゲスの色合いで覆われています。

フランク・ドミンゲスは、昨年（2014年）、メキシコで惜しまれながら没してしまいました。本作は、追悼盤でもあります。
ラテン、キューバ・ファン、ワールド・ファンはもちろん、ジャズ〜ポピュラー・ヴォーカル・ファンにも聞いて頂ける内容です。
(メーカー・インフォメーションより)