Baddy Doub

「レバノンのダイヤモンド」が初々しいを声を聴かせる
記念すべきファースト・アルバム

　ナンシー・アジュラムやハイファなど、美形女性歌手の宝庫として知られる中東の国レバノンにおいて、最高のルックスと美声を持つ女性歌手として現在シーンのトップに君臨しているのがこのエリッサです。
　エリッサは1971年にレバノン高原に位置する景観の美しい田舎町で生まれ、歌を愛する少女時代を過ごした彼女は国立レバノン大学に入学、その後テレビの人気オーディション番組“スタジオ・アル・ファン”に出場し、そこで銀賞を受賞しました。そして6年におよぶ下積み時代を経て1998年に「バディ・ドゥーブ」というシングルでデビューを果たし、その曲がいきなりナンバーワンを記録。その翌年にはそのシングルをタイトル・トラックにしたファースト・アルバムはレバノン以外にも広い中東地域に受けれられ15万枚以上を売り上げました。
　セカンド・アルバムは100万枚を突破し、スターの仲間入りを果たしました。その後も安定した人気を誇った彼女ですが、オフィス・サンビーニャでは2006年発表の５枚め『バスタナック』（TS-6034）から紹介し始め、2012年最新作『一番幸せなもの』（ライス MQR-2105）まで計４枚のアルバムで大きな反響をいただきました。
　今回紹介するのはそんなスターである彼女の原点となったファースト・アルバム。そのヒットしたタイトル・トラックはフラメンコ調のトラックに、彼女の美声としわがれた男性シンガーのデュエットが印象的でしたが、そのデュエット相手である男性歌手はジプシー・キングスに代表される南フランスのジプシー音楽の伝統を受け継ぐジェラール・フェレール。彼はその曲だけでなくなんと全編で参加。その結果、アラブ音楽と南仏のジプシー音楽が混じりあったユニークな混血音楽に仕上っています。おそらく当時のアラブ人たちにもそんな融合は新鮮だったでしょう。
　しかし聴きどころは、なんといっても初々しく、緊張感がある声を聴かせてくれるエリッサのヴォーカルでしょう。どんな名歌手でもこのような初々しさは後年になって再現できません。この時代にしか聴けない貴重な記録なのです。アラブ音楽ファンだけでけでなく、広範な女性シンガー・ファンに聴いていただきたい逸品です。 （メーカー資料より）