Eric Claptonがアルバム461 Ocean BoulevardでBob Marleyの’I Shot The Sheriff’をカヴァーした1974年、ジャマイカはキングストンにある一人の少年が生まれた。幼い頃から耳が大きかったその彼は『ダンボ!』と呼ばれる...。そう、その彼は今やレゲエの現場では誰よりも流行を生み出しHIPHOPの現場でもヘビーローテーションは当たり前、最新のダンスホールはコノ男ナシでは語れない、というその名も耳のデカイ男、Elephant Manだ。VP/Atlantic共同レーベルの第三の刺客として送り出された最新作Good 2 Goが全米から飛び火しスマッシュ・ヒットを記録。これまでの偉業をここで紹介してみよう。
彼が生まれたキングストンに住んでいた2歳年上のShabba Ranksと8歳年上のBounty Killerとは幼馴染で、耳の大きかったエレファントは、その2人やクラスメートから『ダンボ・エレファント』という愛称で可愛がられていた。同郷のKing Jammyが設立したスタジオでエレファントの歌声にバウンティとシャバは『コレはイケる!』と判断、『the Seaview Family』なるグループを結成しメンバーに参加するが、まもなくしてバウンティが「Big Guns Scare Dem」でブレイク、そのためグループ名もScare Dem Crewと変更しSteely and Clevieとも共演、当時地元でアルバムも1枚発売されたそうだ。
その後は数々のフェスティヴァルに参加するが、のちにエレファントはソロで活動してゆくことを決意、そして発表されたデビュー・アルバムComin' 4 Youでは、ダンスホール・レゲエ新時代の幕開けとも言える新しいレゲエと、金髪が爆発寸前のヘアスタイルで一躍話題に。そして2ndLog Onでは”The Energy Man”、”Punk Rock of Dancehall男”、”the Bahamanian Syd Barrett”等々物議を醸し、2002年に発表したビッグ・チューン’Tall Up Tall Up’で王者の名を欲しいままに。
そして最新作Good 2 Goが発売決定のニュースが届いたのが2003年9月のこと。VPとメジャー・レーベル〈アトランティック〉による共同レーベルから、Sean Paul、Wayne Wonderに続いて、第三の男としてダンスホール・シーンをリードし続けてきたエレが自ら『最高傑作』と断言したトラックが凝縮された作品とのことで発売前から高い話題性を示唆、また今年最大級のヒット・チューンというる’Pon De River, Pon De Bank’が本国ジャマイカでは勿論、アメリカの市場でも予想以上の大反響を呼んでいるため、VPレコーズが強力なリリース展開へとするために発売延期に至ったのだが、11月29日ようやく発売された。