【中古:盤質A】 長谷川陽子(Vc)福田進一(G)Wave-hommage A Antonio Carlos Jobim

WAVE〜ジョビンへのオマージュ
長谷川陽子(チェロ)＆福田進一(ギター)
アントニオ･カルロス･ジョビンは,ボサノヴァ創始者の一人としてブラジルを中心に広く親しまれています.このアルバムでは,セルジオ=アサドの編曲(４曲)と長谷川陽子と福田進一による演奏でジョビンの魅力を堪能出来る内容です.トラック5『ジョビニアーナ４番』は2人のために書き下ろしたアサドのオリジナル曲.晩年のジョビンの作風を彷彿とさせる作品.ブラジルの自然や熱気を感じさせる躍動感ある演奏です.トラック９『黄金の歳月〜ルックス･ライク･ディセンバー』は,ジョビンの曲.洗練された旋律と絶妙なハーモニーの変化でロマンティックな曲に仕上げています.チェロとギターの掛け合いが曲に動きを与え,さらにジョビンのシンプルかつ粋なメロディーに深みを出しています.


『WAVE〜ジョビンへのオマージュ』　長谷川 陽子（チェロ）×福田 進一（ギター）


アサド氏が編曲したジョビンの名曲と新作｢ジョビニアーナ 4番｣収録


01. 波（A.C.ジョビン／編曲：S.アサド）
02. ストーン・フラワー（A.C.ジョビン／編曲：S.アサド）
03. フェリシダーヂ（A.C.ジョビン、V.モラエス／編曲：江部　賢一）
04. ルイーザ（A.C.ジョビン／編曲：S.アサド）
05. ジョビニアーナ 4番（S.アサド）
06. アナのテーマ（A.C.ジョビン／編曲：江部　賢一）
07. ブラジル風バッハ第５番よりアリア（作・編曲：ヴィラ＝ロボス／改編：福田　進一）
08. アンパロ（A.C.ジョビン／編曲：S.アサド）
09. 黄金の歳月〜ルックス・ライク・ディセンバー（A.C.ジョビン、シコ・ブアルキ／編曲：B.フォーゴ）
10. 「カーニバルの朝〜『黒いオルフェ』から」（L.ボンファ／編曲：江部　賢一）
■チェロとギターのためのソナタ（R.ニャタリ）
11. ・１楽章 アレグレット・コモド
12. ・２楽章 アダージョ
13. ・３楽章 コン・スピリート
14. モヂーニャ（A.C.ジョビン、V.モラエス／編曲：福田　進一）
＜＜ 演奏 ＞＞
　長谷川　陽子（チェロ）
　福田　進一（ギター）

　
ジョビンは1950年代の末期頃から、ブラジルでとても人気のあるミュージシャンでした。長年にわたる音楽活動の中で、膨大な数のスタンダート曲を生み出し、今や全てのブラジル人ミュージシャンの中で最も重要な存在となっています。彼は"ボサノヴァ"という、国際的に認められたスタイルを築き上げた内の一人ですが、生涯を通じて様々なスタイルの曲を書きました。彼の書く曲はシンプルでありつつも、とても洗練されています。そのメロディはしばしば角張っていますが、同時に非常に鮮やかでもある。ハーモニーは概して高いキーまで変調されますが、その変化は自然かつスムースになされ、絶妙です。リズムは大抵伝統的なブラジル音楽がベースとなっています。

アントニオ・カルロス・ジョビンの音楽には、子供の頃から親しんできました。それで数年前、「ジョビニアーナ」という、ジョビンに捧げる一連の曲を書いたのです。このシリーズでは、素晴らしい構成と良いメロディ、興味深いハーモニーといった要素に注目し、ジョビンの音楽世界に対する私なりの解釈を込めました。それぞれの曲が、異なったアプローチをもってジョビンに言及しています。彼自身が使っていた一連のハーモニーを使ったり、彼の作曲法に関連したメロディ・モチーフを取り入れたりしました。この独特な曲、「ジョビニアーナ4番」では、シンプルなメロディにかなり深みをもたせることで彼のドラマチックな面を表現したかったのです。彼のこういった面は音楽においてはあまり見られませんでしたが、映画の為に書かれたいくつかの作品の中に見てとれます。二つのセクションで構成され、一方はもっと叙情的で、もう一方はジョビンが頻繁に使っていたブラジル最北地域のリズム形式を取っています。チェロとギターの両方がリードを取り、交換し合うことで、互いの楽器の間に絶えまない動きが生まれるのです。

最後に、このレコーディングは、本当に素晴らしいと思います。


セルジオ＝アサド


福田進一（ギター）SHINICHI FUKUDA，

大阪生まれ。1978年パリ・エコール・ノルマル音楽院にて、A.ポンセにギターを学び、また音楽学、和声楽、楽曲分析をN.ボネに師事する。1980年イタリア・キジアーナ音楽院にてO.ギリアに学び、最優秀ディプロマを受賞する。1981年パリ国際ギターコンクールで優勝。一躍注目を集め、さらに内外で輝かしい賞歴を重ねた。

すでに、ほとんど全ての欧米各国の主要都市に招かれリサイタルを開催。デュトワ指揮NHK交響楽団などのメジャーオーケストラとの協奏曲、ジャズの渡辺香津美などジャンルを超えた一流ソリストとの共演はいつも話題を集め、絶賛を博している。19世紀ギター音楽の再発見から現代音楽まで、福田のボーダーレスな活動は世界的な評価を獲得している。

キューバの生んだ大作曲家Ｌ．ブローウェルは、「かつて聞いたことのない真のヴィルトゥオーゾ、そして"音楽"家である」と称賛し、福田のために「悲歌〜イン・メモリアム・タケミツ（96年）」を献呈した。