Strength Energy Imagination

コペンハーゲン・アンティーブに鳴り響いた、ジャズの美学溢れる演奏記録

ドロシー・ドネガンは、1922年生まれですから、バド・パウエルなどとほとんど同世代のピアニスト。とはいえ、クラシックのコンサート・ピアニストを目指して音楽院で学んだ後にジャズへと向かった彼女は、完璧なテクニックでブギウギやストライド・スタイル、さらにはビ・バップ以降のスタイルまでをこなし、それらを巧みにミックスして聴衆を楽しませる独自の個性を築きあげました。

日本ではあまりポピュラーな存在ではありませんが、亡くなる少し前には最初で最後の来日を果たし、目の前でそのエンターテイニングなピアノを披露してくれました。これは、円熟期の彼女がコペンハーゲンとアンティーブで披露したパフォーマンスを収めた2 枚組で、1 枚目は、マッズ・ヴィンディングとエド・シグペンという最強のリズム・ティームを加えたトリオで録音したアルバム（元々Storyville で出たものです）。2 枚目は、アーヴェル・ショーとパナマ・フランシスを従えたトリオ録音（オリジナル・リリースはMahogany レーベル）。どちらも、多彩なテクニックを用いて展開される彼女の楽しいステージが目に見えるようなレコーディングです。

CD1:
Dorothy Donegan (p & vo)
Mads Vinding (b)
Ed Thigpen (ds)
Recorded live at Jazzhus Slukefter, Copenhagen, May 19, 1980

CD2:
Dorothy Donegan (p)
Arvell Shaw (b)
Panama Francis (ds)
Recorded at Studio 19, La Fontonne, Antibes, France July, 22, 1975