Shades Of Blue / Dusk Fire

レンデル＝カー・クインテットが英Columbiaに残した2枚の名作を復刻したファン驚愕の作品。『Shades Of Blue』では、Colin Purbrookが、後者には Michael Garrickが参加。そのほかにDave Green(b)、Trevor Tomkinsが参加。同レーベルに残されたジャズの最高傑作の一枚『Dusk Fire』はヨーロッパ・ジャズの実力を最も早く伝えた「ヨーロジャズの黒船」として記憶に残すべきアルバム。
全曲がメンバーによるオリジナル曲で、独自のジャズにこだわる彼等の意気込みが伝わる。Disc2-1での幽玄なレンデルのフルート・プレイ、マケル・ガーリックの流麗な演奏は、この時期のヨーロッパのジャズがアメリカの60年代初頭のジャズのコンセプトの影響を抜けきっていないことを証明してくれる。2-2でのレンデルのハ−ドバッピッシュなソロ、そして、ピアノのバッキングに見るトリッキーなコンピングは、まさに過渡期という言葉がピッタリな演奏だ。ガーリックの演奏が公平に見て最も先進的なアプローチに聴こえる。2-6に見るマイルスの「マイルストーンズ」的なアプローチ、そして、最大の人気曲2-7でのモーダルなアプローチまで息もつかせない。不協和音的なユニゾンでのテーマ提示からコルトレーン的なソロを展開、1966年3月という時代が浮かんでくる。

Shades of Blue(Columbia 33SX 1733)
01.Blue Mosque (Don Rendell/Ian Carr)
02.Latin Blue (Don Rendell)
03.Just Blue (Ian Carr)
04.Sailin' (Mike Carr)
05.Garrison '64 (Don Rendell/Dave Green)
06.Blue Doom (Don Rendell/Ian Carr)
07.Shades Of Blue (Neil Ardley)
08.Big City Strut (Ian Carr)
Recorded: London, October 1 & 2, 1964

Dusk Fire(Columbia SX 6064)
01.Ruth (Don Rendell)
02.Tan Samfu (Don Rendell)
03.Jubal (Don Rendell)
04.Spooks (Don Rendell/Ian Carr)
05.Prayer (Michael Garrick)
06.Hot Rod (Ian Carr / Michael Garrick)
07.Dusk Fire (Michael Garrick)
Recorded: London, March 16 & 17, 1966

Don Rendell(ts,ss) Ian Carr(tp,fln) Colin Purbrook(p) Michael Garrick(p) Dave Green(b) Trevor Tomkins(d)