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デリア･フィシャー：エグベルト･ジスモンチに見出された美しきインテリジェンヌが､
ジャズとブラジルをオーガニカルに溶解する､清廉のノヴァMPB｡
アナ･カロリーナ､エルメート､そしてジスモンチもゲスト！

リオ出身のピアニスト/アレンジャーで､99年にエグベルト･ジスモンチの主宰するレーベル「CARMO｣から､1stアルバム"ANTONIO"でデビュー｡独特の哀愁を帯びたフレージングとタッチで､ジャズ･ブラジリアン期待の新星として紹介された才女デリア･フィッシャー(デリア･フィシェル)｡高い評価を得た1stから実に10余年､コンポーザー､そしてシンガーとしての素質にも磨きをかけたデリアが､ホナルド･バストスが主宰するレーベル「DUBAS｣からリリースする待望の2ndアルバム｡これが､耳を伝わりリスナーの心にまで届く絶品なのである｡

デリアのピアノ､ヴォーカル､そしてパーカッションのみで､孤独な海辺に佇む情景を描いたM1で､まずその清廉極まる素晴らしさを体感しえよう｡巨匠エルメート･パスコアルが参加し､氏のエレピと様々な効果音と戯れるかの如く紡がれていくコラージュ的サンバのM3。スウェーデンの美声シンガーとして知られるリサ･ニルソンをフィーチュアしたM4では､抒情的なストリングスをバックに､二人の聡明な歌が､悲しき女神を彷彿させる｡ヴィブラフォンとチェロ/ヴァイオリンをバックに､異質な中世のチェンバー･サウンドをアレンジしたM10､そして細かく波打つピアノとナチュラルなデリアのヴォイス､そしてパーカッションとチェロが大らかに包み込むM11など､どのトラックからも感銘を受ける｡リカルド･シルヴェイラ､そしてアナ･カロリーナもゲストに迎えられ､デリアの世界に溶け込んでいる｡彼女を見出したエグベルト･ジスモンチ(もゲスト!)の音楽性に繋がる壮大で奥深い音像と､親近感がありながら､どこか神秘的なデリアのヴォイスとが､絶妙な調和を以って映し出す高尚芸術｡ジャンルを問わず多くのオーガニカル･サウンド･ファンが味わうべき名作といえる｡


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