’67年2月に発売された1stアルバムバッファロー・スプリングフィールドには当初スティルス作"ベイビー・ドント・スコールド・ミー"が収録されていたが、シングルとしてリリースされた"フォー・ホワット(For What It’s Worth)"が大ヒットしたため、その曲はすぐに"フォー・ホワット(For What It’s Worth)"に差し替えられた。これに関する件で、作品のシェアにおいてスティルスとニールの間に確執があったとも言われている(結局二分することになった)。またミキシングに対する不満から録り直しをバンドが要求したり、ニール作品のうち3曲で「よりコマーシャルに」という配慮からリード・ヴォーカルをリッチーに変更ということもあった。しかし、そうした事がありながらも今聴くと、彼らのユニークな音楽性が充分出た作品とも言える(メンバーはステージでのダイナミズムを巧くパッケージ化することが出来ず不満を募らせたというが)。この1stアルバムにはビートルズやボー・ブラメルズなどポップなビート・グループを下敷きにしながら、独自のルーツ・ロック的アプローチを施し、ユニークで多様なフォーク・ロック・ナンバーを多数収録。多大な影響を受けた、はっぴいえんど 作"暗闇坂むささび変化"の元ネタのような曲もある。
Neil Young ニール・ヤングはバッファロー解散後、ソロ・キャリアをスタート。また並行してCSNに加わり、CSN&Yとしても人気を獲得。何度か再編を繰り返すCSNに最近(’99年)、久々にニール・ヤングが加わって作品を発表。これも話題となった。ニールのソロ自体は、常に振幅の激しい活動を見せ、浮き沈みもあるが、それぞれの作品は、ほとんどが現役の最前線としての同時代的な評価を受けている。代表作は数々あるが(中でもアフター・ザ・ゴールド・ラッシュは最高傑作の誉れ高き作品)、ここではバッファロー脱退後に発表された象徴的な二作品ということで、1stとCSN&Yのデジャ・ヴュをご紹介したい。