Birdland 1953 (3CD)

1951年5月にバド・パウエルはブルーノートへあの『ウン・ポコ・ロコ』を録音しますが、その年の8月には麻薬常習の疑いで逮捕され、獄中で精神病発作を起こして「ウン・ポコ」どろこではない「ロコ」状態になってしまいました。ベルビュー、ピルグリムなどの精神病院で電気ショック療法などを受けたバドは1953年初頭にようやく社会復帰を果たし、その際保護観察者となったオスカー・グッドスタインがクラブ“バードランド”のマネジャーだったこともあって、その1年間に20週間も同クラブへ出演することになります。その模様（テーマとして使っていた「ララバイ・オブ・バードランド」のインコンプリートな演奏をいくつか省いたのを除いて）すべてを3枚のCDに収めたのがこのESP盤で、オスカー・ペティフォードやチャールズ・ミンガス、ロイ・ヘインズやソニー・ペインといった名手たちをバックにしたトリオ演奏ばかりでなく、ディジー・ガレスピーあるいはチャーリー・パーカーをゲストに迎えたクァルテット・セッションも聴くことができます。

1951年までのバドに見られた狂気の閃きはやや薄れていますが、1954年以降の不安定な状態とは異なるストリクトな演奏はスリル満点。ユニークな編曲を施したスタンダード・ナンバーから「ウン・ポコ・ロコ」まで選曲もバラエティに富んでいます。

Disc1/M1〜4：
Bud Powell (p)
Oscar Pettiford (b)
Roy Haynes (ds)
February 7, 1953

Disc1/M5〜10：
Bud Powell (p)
Oscar Pettiford (b)
Roy Haynes (ds)
February 14, 1953

Disc1/M11〜16：
Bud Powell (p)
Franklin Skeetes (b)
Sonny Payne (ds)
March 7, 1953

Disc2/M1〜7：
Bud Powell (p)
Charles Mingus (b)
Roy Haynes (ds)
March 14, 1953

Disc2/M8,9：
Bud Powell (p)
Charles Mingus (b)
Roy Haynes (ds)
Dizzy Gillespie (tp)
Possibly May 16, 1953

Disc2/M10：
Bud Powell (p)
Charles Mingus (b)
Art Taylor (ds)
Charlie Parker (as)
Possibly May 23, 1953

Disc2/M11〜13：
Bud Powell (p)
Charles Mingus (b)
Art Taylor (ds)
May 30, 1953

Disc2/M14,15：
Bud Powell (p)
Charles Mingus (b)
Art Taylor (ds)
Charlie Parker (as)
Candido (congas)
May 30, 1953

Disc2/M16,17：
Bud Powell (p)
Charles Mingus (b)
Art Taylor (ds)
June 20, 1953

Disc3/M1：
Bud Powell (p)
Charles Mingus (b)
Art Taylor (ds)
July 11, 1953

Disc3/M2：
Bud Powell (p)
Charles Mingus (b)
Art Taylor (ds)
August 29, 1953

Disc3/M3〜7：
Bud Powell (p)
George Duvivier (b)
Art Taylor (ds)
September 5, 1953

Disc3/M8〜11：
Bud Powell (p)
George Duvivier (b)
Art Taylor (ds)
September 19, 1953