CD 輸入盤

ピエール・ブーレーズ&ドメーヌ・ミュジカル・ボックス(10CD)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
4811510
組み枚数
:
10
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
限定盤,輸入盤

商品説明


Pierre Boulez Le Domaine Musical
ピエール・ブーレーズ&ドメーヌ・ミュジカル(10CD)


若き日のブーレーズが自ら結成したアンサンブル「ドメーヌ・ミュジカル」とおこなった録音は、当時のブーレーズの先鋭的な芸風を伝えるものが揃っています。
 今回登場するボックスセットは、2006年にフランス・ユニバーサルから発売された「ドメーヌ・ミュジカル」の4枚組2巻+ボーナス・ディスク1枚というアニヴァーサリー・ボックス企画に、さらにボーナス・ディスク1枚を追加した形となるもので、112ページに及ぶ欧文ブックレットにはインタビューの英訳も掲載されています。
 収録内容は最初にレコーディングのおこなわれた1956年から、ブーレーズがフランスを離れる1967年までの音源を集めたものとなっており、このセットで新たに追加されたボーナス・ディスクには、1956年におこなわれた第3コンサートでの録音も収録、ガブリエリ、ストラヴィンスキー、ヘンツェ、メシアンなどの作品が収められています。

【ブーレーズとドメーヌ・ミュジカル】
1944年にメシアンのクラスをプルミエ・プリで卒業し、オネゲル夫人に対位法を学び、レイボヴィッツに12音技法を学んだピエール・ブーレーズのプロとしての最初の本格的な仕事は、1946年からのジャン・ルイ・バロー&マドレーヌ・ルノー劇団の音楽監督というものでした。
 要は舞台演劇に音楽を付けるという仕事で、ブーレーズ自身、オンド・マルトノ演奏をおこなったり、ギリシャ悲劇『オレステイア』のための音楽を作曲・演奏するなどして、この地位に1956年までの10年間に渡って留まります。
 この頃のブーレーズは過激な言動でも知られていた時期で、「オペラ座を爆破せよ」「シェーンベルクは死んだ」「ジョリヴェは蕪」「ベリオはチェルニー」といった数々の暴言が、現在のブーレーズからは信じられない刺激的なイメージを伝えてくれます。
 そして1954年10月、過激な時期のブーレーズによって創設されたのが、室内アンサンブル「ドメーヌ・ミュジカル」なのです。この団体は、当時のブーレーズが音楽監督を務めていた劇団の舞台でもあるパリのマリニー劇場を本拠地とし、くだんのジャン=ルイ・バローとその夫人のマドレーヌ・ルノーがパトロンになって発足したもので、創立者にはブーレーズとこの両名が名を連ねています。
 もっとも、彼らは最初から現代音楽に特化したアンサンブルだったわけではなく、1954年のシーズンには、マショーやデュファイ、バッハといった古楽プログラム、ドビュッシー、シェーンベルク、ベルク、ヴェーベルン、ストラヴィンスキー、バルトーク、ヴァレーズといった近代プログラム、シュトックハウゼン、ノーノ、マデルナなどの現代プログラムが3つの柱として存在しており、年を経るにしたがって現代の占有率が高くなっていきました。さらに、この団体の活動は演奏会の開催だけにとどまらず、機関紙や研究書の発行にまで至り、ヨーロッパのみならず世界の現代音楽シーンに多大な影響を与えていったのです。
 しかし、1967年にブーレーズは、フランス政府の音楽政策に抗議してフランス国内での演奏活動の中止を宣言、「ドメーヌ・ミュジカル」をジルベール・アミに託し(1973年に解散)、自らはBBC交響楽団やニューヨーク・フィル、クリーヴランド管弦楽団を指揮して国際的に活動するようになります。
 ちなみに「ドメーヌ・ミュジカル」ブーレーズ時代13年間の公演数は約80、登場する作曲家は約50名、作品数は約150曲といいますから、当時からブーレーズのレパートリーの広さにはかなりのものがあったことが窺われます。(HMV)

【収録情報】

Disc1 10周年記念コンサート
● シュトックハウゼン:コントラ-プンクテOp.1
● ベリオ:セレナータT
● ブーレーズ:主のない槌
● ブーレーズ:ル・マルトー・サン・メートル
● メシアン:異国の鳥たち

Disc2 フランス関連作品
● ドビュッシー:パンの笛
● ヴァレーズ:比重
● ヴァレーズ:21.5
● ヴァレーズ:ハイパープリズム
● ヴァレーズ:オクタンドル
● ヴァレーズ:アンテグラル(積分)
● メシアン:カンテヨジョーヤー
● メシアン:7つの俳諧

Disc3 作曲家ブーレーズ
● ブーレーズ:ストラクテュール第1集
● ブーレーズ:フルートとピアノのためのソナティナ
● ブーレーズ:ピアノ・ソナタ第2番

Disc4 同行する旅人たち
● カーゲル:弦楽六重奏曲
● ノーノ:インコントリ
● ヘンツェ:イル・マリニーのための協奏曲
● プスール:マドリガルV
● プスール:2台のピアノのためのモビール
● シュトックハウゼン:ツァイトマーセOp.5
● シュトックハウゼン:ピアノ曲第4

Disc5 ストラヴィンスキー
● ストラヴィンスキー:12楽器のためのコンチェルティーノ
● ストラヴィンスキー:クラリネット・ソロのための3つの小品
● ストラヴィンスキー:弦楽四重奏のための3つの小品
● ストラヴィンスキー:管楽器のためのシンフォニー集
● ストラヴィンスキー:きつね-歌と踊りによるブルレスケ
● ストラヴィンスキー:バレエ『アゴン』

Disc6 新ウィーン楽派T(1899-1912)
● シェーンベルク:浄夜
● ウェーベルン:管弦楽のための6つの小品Op.6
● シェーンベルク:3つの小品
● シェーンベルク:月に憑かれたピエロ

Disc7 新ウィーン楽派U(1906-1943)
● ベルク:ロ短調のソナタ
● ベルク:管弦楽のための3つの小品Op.6
● シェーンベルク:室内交響曲第1番
● ウェーベルン:2つの歌Op.8
● ウェーベルン:4つの歌Op.13
● ウェーベルン:第1カンタータOp.29
● ウェーベルン:第2カンタータOp.31

Disc8 新ウィーン楽派V
● シェーンベルク:セレナーデ
● シェーンベルク:7つの楽器のための組曲Op.29
● ウェーベルン:ピアノのための変奏曲 Op.27
● ウェーベルン:交響曲Op.21

Disc9 第3コンサート-1956年シーズン
● ジョヴァンニ・ガブリエリ:聖なるシンフォニーから
● ストラヴィンスキー:管楽器のための交響曲
● ヘンツェ:イル・マリニーのための協奏曲
● メシアン:異国の鳥たち
● クロード・エロイ:等価

Disc10 友情の物語
● ブーレーズ・インタビュー(『主のない槌』ファースト・レコーディングを挟みながら Vega,1956)

 バーデン-バーデンSWF交響楽団からのソリスト
 ハンス・ロスバウト(指揮)
 ドメーヌ・ミュジカル
 ピエール・ブーレーズ(指揮)

 録音:1956-1967年
 録音場所:パリ
 録音方式:ステレオ(一部モノラル/Disc8,9)

ユーザーレビュー

総合評価

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ブーレーズの訃報を受けて聴かずにいられな...

投稿日:2016/01/08 (金)

ブーレーズの訃報を受けて聴かずにいられなくなったのが、このセットに収録された「ル・マルトー・サン・メートル」の最初の録音。実に60年前に前衛中の前衛として紹介された貴重な記録だ。その無骨なモノーラルのサウンドに慄然としながら、次は1964年ストラスブールでのステレオ録音を聴く。先程は狭い閉鎖空間で出口を探して暴れていた音が、突然自由に跳ね回り始め、そこかしこにエネルギーをぶちまけていく。こうなると、残る3回の録音も続けて聴いてしまうわけだが、最初の録音から最後の録音まで50年近い時間を2時間半で体験するような感覚を覚える。初期録音で音楽を支配していたストレスと呼んでいいほどのテンションが、時代とともに、あるいは作曲者の年齢とともに薄れていき、当たり前の音楽になっていくのが何とも不思議だ。 このセットには、「ル・マルトー・サン・メートル」の初めの2つの録音が完全に収録されているばかりか、「ピエロ・リュネール」「兵士の物語」といった伝説的な演奏、そしてメシアンやシュトックハウゼン、ベリオらの実験の記録が詰め込まれている。半世紀前の現代音楽の領域を解雇するのに避けては通れない。 それにしても、この時代の旗手がついに鬼籍に入り、尖った音楽との出会いがまた減ってしまうと思うと、たまらなく寂しい。

kuzu2001 さん | 東京都 | 不明

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