語りかける花 ちくま文庫

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480423962
ISBN 10 : 4480423966
フォーマット
出版社
発行年月
2007年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
15cm,292p

内容詳細

染織家で人間国宝の著者の、『一色一生』に続く、第二随筆集。自らの道を歩む中で、折にふれ、山かげの道で語りかけてくる草や花。その草木たちから賜る無限の色。その色を吸い込む糸。それを織ってゆく思い。染織の道を歩むものとして、ものに触れ、ものの奥に入って見届けようという意志と、志を同じくする表現者たちへの思いを綴る。日本エッセイスト・クラブ賞受賞作品。

目次 : 朝あけに咲く/ 瀉瓶三滴/ 木のはなし/ 冬を越えよ/ 第五の季節/ 一条の煙/ 野草の音色/ 二千年と四日の命/ 高野の星/ あしかり〔ほか〕

【著者紹介】
志村ふくみ著 : 1924年滋賀県近江八幡生まれ。55年、植物染料による染織を始める。57年、第四回日本伝統工芸展に初出品で入選。翌第五回展から第八回展まで、紬織着物により連続四回の特選を受賞。83年、『一色一生』(求龍堂)により大佛次郎賞受賞。86年、紫綬褒章受章。90年、紬織の優れた染織技術により国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に設定。93年、文化功労者。『語りかける花』(人文書院、ちくま文庫)により日本エッセイスト・クラブ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 佐々陽太朗(K.Tsubota) さん

    志村さんが若い頃からずっと長い間をかけて積み重ねてこられたものの深さを知った一冊。志村さんが到達なさった感性、知識、技能は他の者が容易にまねのできない域にある。志村氏を知って私は「老い」の価値を知ったといえる。志村氏は「第五の季節」というエッセイの中で「老いとは、時間にめざめる事ではないのだろうか」と仰る。私はすでに多くの時間を無為に失ってしまったのだろう。しかしせめて志村さんを見習い、美しく老いることを意識して生きてゆきたいと思う。志村氏の如く「たけたる位」に上ろうとしても、及ぶべくもないのであるが。

  • 文庫フリーク@灯れ松明の火 さん

    (本文より)『紅花を染めるにはまず、餅花を前夜から水に漬けておき、黄水を何度も洗い流したあと、藁(わら)の灰汁にいれて、もみこみ、烏梅(うばい)、酢酸などによって、真紅の色を導き出すのである。純白の絹糸が、一入(ひとしお)一入、紅に染まってゆくのは、清純な少女が、目覚めて花開くのを見守るような感動がある。紅の美しさには清らかさがある。蘇芳には妖しさが、茜には堅実さがあるように。手のきれるような寒の水で染めるとよいとされているのも、紅色に少しの澱みもあってはならず、冴えに冴えていなければならないからである。

  • Gotoran さん

    豊かな感性と美しい文章で綴られた人間国宝の染織家志村ふくみ氏のエッセイ集第2弾。京都の東山の朝焼けの光景、近江八幡の琵琶湖の向こうに沈む夕日などなど。自らの道を歩む中で。折に触れ、山影の道で語りかけてくる草や花にも凛々しさや奥深さを見出している。染織家らしく様々な色を持ち出しながら見たこと、感じたことが表現・描写されている。

  • ぶんこ さん

    少しずつ大事に読んできました。1章1章に志村さんの魂が宿っているようで、他数の作家さんのエッセイを読んできていますが重みが違うのです。ギュッと中身が詰まっているのに、爽やかなのです。多くのエッセイを読んでいると博識な事に驚かされます。お忙しい方なのに、かなりの本を読まれているのも伺え、読んだ内容をしっかりと内に蓄えられているのにも感服しました。だからこその語彙の豊富さにも納得。堅苦しくなりそうな博識ぶりなのに、志村さんらしい優しい感性が加わって、本当に心和みます。読後に思ったのは「努力の人」。

  • ちゃちゃ さん

    高雅というひと言に尽きる。志村ふくみさんは染織家で人間国宝。京都の嵯峨野に住まわれて、現在もなお旺盛に活動されている。芸術や古典に対する高い見識、己の創作への厳しい姿勢から紡ぎ出された言葉の数々。物事の本質を射抜く鋭い目。豊かな感性と高い知性や語彙力に裏打ちされた品格を感じさせる文章。行間から伝わる筆者の凜とした生き様に、まさしく背筋を伸ばすようにして読み進めた。草木の生命を丁寧にすくい取り、美しい色に染め上げる。自然界からいただいた色への深い畏敬の念が胸を打つ。私にとって大切な宝箱のような珠玉の随筆集。

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