北一輝論 講談社学術文庫

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784061592148
ISBN 10 : 4061592149
フォーマット
出版社
発行年月
1996年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
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追加情報
:
15cm,359p

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読書メーターレビュー

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  • 猫丸 さん

    再読。明治新政府は天皇観を二つに分裂させた。万世一系幻想に基づく「顕教」と国家機関と見る「密教」。これが現在に至るまで日本を分断し続けている。一方で、大日本帝国が機能不全に陥ったとしても、その中心には両義的な天皇が位置するため、一面的な革命理論では構造改革がなされにくい仕掛けになっている。明治天皇制は意外にロバストな構造をもち、幾多の革命家を葬ってきた。伊藤博文の傑作と言ってよい政治・精神装置である。このヌエ的体制を超克するには、かなり高度な論理のアクロバットと、強靭なそして狂的な精神を必要とする。

  • てれまこし さん

    近代化後発国で近代的自我に目覚めた者は絶対主義的権力の元では自由に生きられないことを悟る。自らが権力を奪取しないかぎり。個人主義の毒杯を飲んだドストエフスキー、ニーチェ、北のうち、北は詩人ではなく革命家の途を選ぶ。天皇になりかわり自分が独裁者となることを夢見る。日本の近代化を完成するために。絶対的自由主義者はそうしてファシズムのイデオローグとなる。しかし一個の人間が神になれるのか? この重みに耐えきれず北は信仰の世界に傾倒する。このロマン主義・実存主義的北一輝像に新左翼運動の挫折を経た著者の姿が重ねられる

  • keint さん

    北一輝の思想に関する論考集。北一輝の思想がロマン派や文学(明星や白樺派)、支那革命活動などに影響されていることが初めて知ったことであった。しかし、軍閥や皇道派青年将校の思想に対する言及は僅かであったため、その方面での知見はあまり得られなかった。それを指しぬいても、北の時系列での思想の形成プロセスという意味では興味深い論考であった。

  • Mirror さん

    極個人的な動機によって、天皇という機関が持つ権力を個人の自由なる精神獲得への手段に用いようとする北一輝の確信を「浪漫的革命」とした作者の視点は、北の悲恋が根源という読み解きによって、そのパセティックな情念が間近なものに感じられながら、幸徳秋水ら無政府主義者と背中合わせの根源的な反天皇主義者の面を顕す。 「ほんみち不敬事件」の大西愛治郎にも通ずる不幸な時代に生まれてしまった「己の中の神」を最優先する人間たちのすがたと悲運はどこか惹かれるものがある。

  • BLACK無糖好き さん

    人間・北一輝の内面に奥深く迫ります。戦闘的キリスト者の内村鑑三から影響を受け、「自由なる精神」を基に徹底した個人主義者となる。中でも本書の一番のハイライトは北一輝の恋愛と革命の相関関係に焦点を当てた所ではなかろうか?初恋の相手 松永テルとの仲を社会的圧力によって引き裂かれ、己の手から奪われた浪漫を革命という方法によってしか取り戻せないと考えるようになる。この時代多くの武骨な主義者が登場する中で、北一輝の"ちょっと違うよな"と思わせる所以はこの辺りにあるのか?と、勝手に思ってしまった。(^^;;

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