Bo Diddley

Bo Diddley (ボ ディドリー) プロフィール

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ロックンロールの生みの親のひとりとして知られるボ・ディドリーが6月2日、米フロリダ州の自宅で心不全のため死去しました。享年79歳。

80歳の誕生日を目前にしてもなお、精力的なツアー活動を行っていましたが、2007年5月に脳卒中のため入院。以後、自宅にて療養中でしたが2008年6月、帰らぬ人となりました。心より氏のご冥福をお祈りします。

どんとの音楽を再発見している若い音楽リスナーが多いという現在では、どんとが在籍したボ・ガンボスの「ボ」が本稿の主役、 ボ・ディドリーに因んでつけられたということや、バンドのデビュー最初期に彼らがそのボ・ディドリー御大と共演(御大はやはり愛用の箱型ギターを持っていた)を果たしていたということは、もはや古い話となっているかもしれない。またもっと遡れば、よく知られたローリング・ストーンズなど60年代のブリティッシュ・ビートの有名バンドたちを代表的なところとして、影響を受けたバンドたちがいわゆる「ジャングル・ビート」などと呼ばれたボ・ディドリーお得意のリズム・パターン――ムリに表記すればドン・ツ・ドン・ツ・ドン、ツッ・ドンドンという感じだろうか――を好んだという事実からもボ・ディドリーの功績、影響力は窺い知れる。ボ・ディドリーはオリジナルな味わいを持ったロックンロール黎明期のギタリスト/シンガーの中でも忘れ得ぬひとりである。

多くの後続アーティストたちに影響を与えたとされる、前述の「ジャングル・ビート」は、バディ・ホリー“ノット・フェイド・アウェイ(Not Fade Away)”(これはストーンズもカヴァーした)、ザ・フー“マジック・バス(Magic Bus)”、ブルース・スプリングスティーン“シーズ・ザ・ワン(She's The One)”などにその影響と応用形が垣間見れる。この「ジャングル・ビート」の基になっているのはニュー・オリンズR&B的なリズム感覚に通じる泥臭いビートで、ラテンのクラーベのパターンと同形を持っている。ボ・ディドリーはこの血が自然と沸き立つようなホットで魅力的なビートを、音が割れるほどのハードなギター・サウンドでワイルドに鳴らし、なおかつそれをより強力なものとするためにマラカスなどのパーカッションを加え、独特の質感を持ったサウンドに仕上げたのだった。

ボ・ディドリーは1928年12月30日に米南部のミシシッピ州で生まれたとされている。その後、ディドリーはまだ幼い頃うちに家族とともにシカゴへ移住。10歳のときのクリスマスにギターをプレゼントされ、それからは毎日ギターを弾くようになったという。ギターを弾くようになったディドリーが特に影響を受けたのは、ジョン・リー・フッカーの“ブギー・チレン”だったという。

50年代に入り、ディドリーはシカゴのクラブで演奏活動を始める。そして1955年、チェス・レコードの子会社、チェッカー・レーベルのオーディションを受けたディドリーは、チャック・ベリーのレコーディング・セッション等に参加する一方で、自らシンガーとしてもレコーディングを行うようになった。自らの名前を冠したオリジナル曲“ボ・ディドリー(Bo Diddley)”を1955年に発表。また同年に、ロックンロールの名付け親といわれるDJアラン・フリードの強力なプッシュを受けR&Bチャートで成功を収めた“アイム・ア・マン(I’m A Man)”を発表している。またこの頃50年代の中盤にはNYハーレムのアポロ・シアターでステージを行い、多くの観客を集める人気ぶりを誇っていたようだが、なんとそこにはエルヴィス・プレスリーの姿も見られたという。

その後1959年に行われたレコーディング・セッションからは、ディドリーがスタジオでマラカス奏者のジェローム・グリーンと交わした下品なジョーク的会話をうまくテープの編集で織り込んだシングル、“セイ・マン(Say Man)”が生まれ、これは全米トップ20入りを果たすヒットを記録した、という面白い伝説めいた話もある。そして、その後60年代中頃からブリティッシュ・ビート・バンドたちがボ・ディドリーからの影響を受けたことを如実にあらわす展開を見せたことは冒頭に書いた通り。“アイム・ア・マン”をリヴァイヴァルさせたヤードバーズ。“モナ”をカヴァーしたローリング・ストーンズアニマルズにいたっては“ザ・ストーリー・オブ・ボ・ディドリー”という曲を作って演奏したほどだった。そしてボ・ディドリーはこの時点で、ロック史や記憶にとどめて置くべきロックンローラーのひとりとなった。

ボ・ディドリー初期の名曲シングルでは、ワイルドなビートや音響的な広がりを生かしたサウンド要素の中で、ある種の粗さを持ったギターが得もいわれないカッコ良さを醸し出している。オリジナルなロックンロールだけが持つ独特な質感とともにボ・ディドリーのビート、歌、ギターは永遠に輝き続けるだろう。

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