歌心に溢れた素敵な作品

Jazzが最も危険だったとも言える1970年代に日本で立ち上がったEast Wind Records。沢山の素晴らしいレコーディングは、何処かしら日本的なベタベタ感も感じられず、興味を持って接したレーベルでした。 音の良さや日本人好みの演奏家を録音するなど、様々な挑戦にも聴く側に媚を売るような部分が感じられないレーベルでした。 ただ、ジャケットがイマイチなものが多く、CD化される今でも残念に思えて仕方が有りません。基本的にオリジナル・ジャケットが好みなのですが、ここに関しては新しいジャケットにした方が購買意欲をかきたたせるような気がします。 このアルバムはエリントンが亡くなった翌年、75年に録音された追悼盤のようなかたちになっています。6曲の全てがエリントン楽団に因んだ曲。5曲がエリントンの曲で、有名なLush Lifeもエリントンの右腕だったビリー・ストレイホーンの曲です。誰もが何処かで聴いた事のある有るスタンダード集と言って良いと思います。 録音場所はNew Yorkですが、監修からプロデュース、マスタリング、リミックスと全面的に日本人のスタッフが製作にかかわっています。とても意欲的ですし、その事がマイナスに思える部分が無いようにかんじます。 バックは私の大好きなシダー・ウォルトンのトリオ。シンプルに、そしてストレートに演奏されています。Live感は有りませんがとてもバランスが良く、それぞれの楽器の良さが引き出されている録音ではないかと思います。夜、じっくりと聴くのには、少々醍醐味にかけるかもしれませんが、天気の良いゆったりとした昼下がりには、ピッタリではないかと思います。

私のようなド・ポップス・ファンが聞いても良い良いのアルバムでした。ジャズって奥が深いよね。なんて５３歳のあっさんの意見かよぉ、って感じです。

歌ものを正に歌うように演奏している。心地よい傑作。この人は本当にミディアムテンポが似合う。トミフラのピアノが洒落た味わいを加える。なんの革新性もないが、聴けばファーマーのファンになること間違いなし。

Art Farmer本来の美しい演奏に熱気がプラス。リズムセッションも見事です。

アート・ファーマーのフリューゲルホーンがシダー・ウォルトン（p)サム・ジヨーンズ(b)ビリー・ヒギンズ(ds)の好サポートを得てリリカルなバラードを朗々とデリケートに歌い上げています。「おもいでの夏」「カーニバルの朝」・・秀作ぞろい。オーソドックスなジャズ・ファンにはたまらなく楽しんで聴ける美しいアルバムに仕上がっています。あなたとあなたの一番大切な人との間に是非おいておきたい一枚です。

個々の作品の出来以前に、タイトルは間違ってるワ（どうにかなりませんか、ＨＭＶさん？）、裏ジャケの解説が逆になってるワ、これじゃせっかくの作品が台無しです・・・

このＤＶＤで最も知りたい情報である、録音年ですが、購入して観てみると最後のところで、１９８２年とありました。ほとんど、フリューゲルの演奏ですが、効果的にミュートを使ったり、アドリブもまとまっていて、お薦めです。

ジャケットの表も裏も美形のスウェーデン女性のアップなので，とてもジャズ作品とは思えないが，実はアート･ファーマーの隠れた名盤。哀愁を帯びたメロディのスウェーデン民謡を素材に，ファーマーとジム･ホールのよく歌うソロが秀逸。私はLPの頃から長らく愛聴してきました。

　このカップリングもいいですねえ。ファーマーの「まったり具合」が最高潮に達した時期の二枚。『ブルースをそっと歌って』はもちろんカーラ・ブレイの曲が中心ですが、スティーヴ・スワロウの曲も聴き逃せません。