77年ブラクストンのスイス・バーゼル録音!
1960年代末からヨーロッパ各地を転戦していたアンソニー・ブラクストンは、72年に一旦帰米したものの、翌年には再び渡欧し、米国と行ったり来たりの生活を続けます。そんな彼が自らのレギュラー・グループというものを初めて持ったのは73年の末頃で、ケニー・ウィーラーを加えたクァルテット編成でした。しかしウィーラーは76年にブラクストンの下を去り、代わりにトロンボーンのジョージ・ルイスが加わります。ルイスとのコンビは77年までしか続きませんでしたが、ふたりの相性はすこぶる良く、いくつもの優れたアルバムを残しました。
これは77年にスイスのバーゼルで録音された作品で、ベースとドラムズは前年のデイヴ・ホランド〜バリー・アルトシュルからマーク・ヒライアス〜チャールズ・“ボボ”・ショーというコンビに交代していますが、ここではAACMの重鎮リチャード・エイブラムズが加わったクインテットによるパワフルでエッジの鋭い演奏を聴くことができます。
やはりシカゴでAACMに加わっていたブラクストンはデビュー時からエイブラムズとしばしば共演してきましたが、この時点ではリーダーとして自らの音楽、すなわち抽象度が高く、それでいて感情豊かな音楽をはっきりと前面に押し出して推進させています。
ルー・ドナルドソンに捧げた「Composition 40B」などに聴かれる“アトーナルなビ・バップ”から“構成されたフリー・ジャズ”まで、5人によるテンションの高い演奏は全編スリルいっぱいです。(輸入元情報)
メンバー:
Anthony Braxton(as, ss, cl)
George Lewis(tb), Muhal Richard Abrams(p), Mark Helias(b), Charles “Bobo” Shaw(ds)
Compositions by Anthony Braxton