Pages From An Imaginary Life

High Noteレーベルにおける前作『The World According to Andy Bey』(2013) が、ベスト・ジャズ・ヴォーカル・アルバム部門にもノミネートされているワン・アンド・オンリーのジャズ・ヴォーカリスト、アンディ・ベイ。さらなる深みに達するニューアルバムが登場！

1939年生まれ、50年代から演奏活動を始めている、アンディ・ベイ。マックス・ローチ、ゲイリー・バーツ、ホレス・シルバーらとも共演、ジョン・コルトレーンも、お気に入りのヴォーカリストとして、アンディ・ベイの名前を挙げている。これまでに、Prestige、Atlantic、Columbia、Evidence、Savoy Jazz 等々で10枚以上のアルバム・リリースがある。多くのジャズ・ミュージシャンからも尊敬されている存在であり、グラミー賞受賞経験もある、輝かしい経歴の持ち主。

その名声はジャズのみならず、R&B方面からも高く評価されている。あのクィーン・オブ・ソウルのアレサ・フランクリンにいたっては、同じ日に同じニューヨークでギグのあったアンディの元へ、彼の歌が聴きたいがために、自分のコンサートが終わった後、走って駆けつけたという逸話も残っているほど。また、レア・グルーヴ名盤として、74年リリースの『Experience and Judgement』がリイシューされもしました。

本作は、前作リリースから新たなピークを迎え、アンディ・ベイの迸る才能に触れることのできる15曲。繊細で心に染みいるヴォーカルと共に、弾き語りのピアノも同じく聴きもの。ビル・エヴァンスの名盤『ワルツ・フォー・デビー』の冒頭を飾ったことでもジャズ・ファンになじみ深い名曲「My Foolish Heart」から、酸いも甘いも噛み分ける大人の哀愁が漂うソウルな歌声と滋味深いピアノの魅力があふれる世界。ガーシュインやハロルド・アーレンらの数々のアメリカン・スタンダードがつづられるほか、言わずと知れたエリントンのテーマ「A列車で行こう」のアドリブなども聴き逃せません!また、ビリー・ホリデイやカーメン・マクレエへのオマージュ、M9、8等にも注目。今年のジャズ・ヴォーカル・アルバムの重要作品間違いなし！

Andy Bey (p,vo) Solo