今はなきライブハウス「インクスティック・芝浦」で彼らを観ました。（1986年頃）ベースのJeremy Kerrがジャコのフレーズをソロで演奏していたのが印象的でした。また黒人ドラマーのグルーブが凄かったのを憶えています。いずれにせよクールでジャージーなサウンドが素晴らしい！

まず最初の曲の冒頭で、こいつらに初期のダークさが戻ってきたなと直感。アルバム「フォース」の次くらいから失われていた「何か」が、長い期間を経て、よみがえって来てくれたような気がする。それが彼らの考え方の変化なのか、今回のプロデューサーの腕の良さなのかはわからないが、アルバム全編を通して、「良い感じ」が継続する。そんなわけで、久しぶりにア・サートン・レイシオが何度も流れる私の空間が今ここにある。このアルバムは彼らの歴史の中でも指折りの一枚になるであろう。アルバム「セクステット」の中の一曲の新録があるが、彼らもその当時の曲を聴き直してみて、その頃のマインドを作り直したとでも言うことなのだろうか。その辺りに今回の良さのヒントがあるような気がする。ちなみに、私の買った輸入盤は、ジュエルケースを包む紙枠のデザインは広告の写真であるが、ジュエルケース内のインサートは全く別のものであるので、誰かが紙枠を外すと見間違えるかも知れない。購入者はこの点を注意した方が良い。このアルバムの紙枠は捨てないで取っておくこと（聞き終わったら付け直しておくこと）。

当時のＵＫジャズファンクサウンドの影響もチラホラ、かなり聴き易くてファンキーな３ｒｄアルバム。何度かＣＤ化されているけど、本盤は絶対に買い！（既発盤を持っている人も是非！）入手困難な１２インチ盤でしか聴けなかった”ＫｎｉｆｅＳｌｉｔｓ．．”の別Ｍｉｘ（１３曲目）が遂に収録。ビンビンのチョッパーベースが最高にＣｏｏｌ！この１曲だけでも買う価値あり。音質も中々イイみたい。