一方、残されたスチュワート&グールドマンはそのまま10ccを名のり続け、’77年その活動を不安視する声をよそに、その見事なソングライティングの才能を見せつけた 愛ゆえに をリリースし大ヒットとなる。ライヴ・アルバムをはさんで’78年には3曲目の全英No.1となった「トロピカル・ラヴ」を収録した ブラッディ・ツーリスト をリリースするなど分裂後の活動も順風満帆のように思われたが、’79年に入ってすぐにエリック・スチュワートが交通事故で重症を負い、活動休止を余儀なくされてしまう。ようやく’80年に ルック!ヒア! で復帰するが、ニュー・ウェイヴ・ムーヴメントの真っ只中ということもあってか不発に終わり、ミステリー・ホテル(Ten Out Of 10, ’81年)、都市探検(Windows In The Jungle, ’83年)をリリースし解散する。
その後、’92年10ccはアルバム ミーンホワイル、’95年には「アイム・ノット・イン・ラヴ」の新録音を含むミラー・ミラー をリリースして復活を果たすが、いずれもヒットには至らなかった。その後エリック・スチュワートは’97年のアラン・パーソンズの オン・エアー にゲスト参加(ソロ・アルバム制作中との情報も有り)、グレアム・グールドマンは再びWAXを始動させ、ベスト&新録の ザ・ワックス・ファイル(’97年)、コモン・ノレッジ(WAXの前身)時代の音源を含む common knowledge.com をリリース。2000年には And Other Thing… というソロ・アルバムをリリースし、メロディー・メイカーとして健在振りを示した。