晴子情歌 上 新潮文庫

高村薫

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101347233
ISBN 10 : 4101347239
フォーマット
出版社
発行年月
2013年04月
日本
追加情報
:
432p;16

内容詳細

遠く離れた洋上にいる息子彰之へ届けられた母からの長大な手紙。そこには彼が見知らぬ、みずみずしい少女が息づいていた。本郷の下宿屋に生まれ、数奇な縁により青森で二百年続く政と商の家に嫁いだ晴子の人生は、近代日本の歩みそのものであり、彰之の祖父の文弱な純粋さと旧家の淫蕩な血を相剋させながらの生もまた、余人にはない色彩を帯びている――。本邦に並ぶものなき、圧倒的な物語世界。

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    これまでに読んできた高村薫とは様々な意味において趣きを異にする。我々が(少なくても私が)イメージする高村は、合田刑事シリーズをはじめとした犯罪小説であり、プロットの展開も速く、それがキレのある文体で語られるというものである。阪神淡路大震災以降、本当に自分の書きたいものをと庶幾した高村の新しいスタイルであろうか。小説の構成は、晴子の手紙(過去の回想)と北の海に乗り出す彰之の現在とが交互に語られる。いずれもが、きわめて粘着質であり、精細を極めた文体である。しかもその基調は、ひたすらに昏い。

  • レアル さん

    春子の愛情溢れる優しく温かみのある文章と、物事を客観視した落ち着きのある淡々とした文章が交差して続く物語。今までの高村氏の作風と違うものの、この静かな文章の中にある躍動的に響く息子への愛情、そして春子が生きた時代の情景描写はやはり高村氏の作風そのもの。。下巻の行方は知らないけれど、きっと春子の一生を描きあげたそんな世界の物語の様な気もする。。下巻へ!

  • NAO さん

    再読。青森県の名家福澤家を描いた三部作の第1作目。まずは数奇な縁によって青森の名家福澤家に嫁いだ晴子の生涯が、独白のような膨大な書簡体で描かれる。北の厳しくも美しい自然、漁場での生々しくも生命力に溢れた男たちの暮らし、土地と因習にとらわれた人々の旧弊な暮らしぶり。高村薫の偏執的ともいえる取材や観察に基づく過剰なまでの言葉による描写という独特の作風は、何ともいえない陰のある暗く重い世界観を作り上げ、その世界に圧倒的な存在感を与えている。

  • 優希 さん

    母から息子への手紙が軸となっているので、旧仮名遣いの箇所が多く見られました。晴子の人生は戦前の人生だったのかもしれません。戦前は歴史としてしか想像できませんが。下巻も読みます。

  • ミヤッチ さん

    数年前に単行本で読み、この後の『新リア王』の上巻を読み終えたくらいで中断していましたが、『晴子情歌』は文庫本が出たので最初から読み直しています。この小説を読んでいると、あらためて高村薫の小説を書くときのエネルギーはすごいと思いました。高村薫は単行本を出す時に大幅に修正を加えるとのことです。それに気付くくらいの読み込みはできてはいませんが、内容も曖昧だったのであらためてしっかり読み直して、『黄金を曳く馬』まで読もうと思いました。

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