老いの味わい 中公新書

黒井千次

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121022899
ISBN 10 : 4121022890
フォーマット
出版社
発行年月
2014年10月
日本
追加情報
:
237p;18

内容詳細

七十代後半の坂を登り切り、八十歳を超えた作家が見つめる老いの日々。身の回りには、薄い横線で消された名前の目立つ住所録。バッグは肩からすべり落ち、タタミから立ち上がるのに一苦労。そして頭に浮かぶ疑問は、なぜ歳を取ると何事も億劫になるのか、病気の話にかくも熱が入るのか、「ピンピンコロリ」は本当に理想なのか―。一年一年、新しい世界と向き合って歩む日常と思考を丹念に描いた、心に響くエッセイ。

目次 : 1 人生ノートの余白(歳月重ね、捨て難き物たち/ 無為の一日の後味 ほか)/ 2 老いとは生命のこと(ゆとりと怠惰、元気と焦りの間で/ 何もない平面の恐怖 ほか)/ 3 古い住所録は生の軌跡(物忘れが叶える境地/ その時、こちらはもう… ほか)/ 4 転ばぬ先の前傾姿勢(八十代初頭の若さとは/ 転ばぬ先の前傾姿勢 ほか)/ 5 年齢は常に初体験(幼児の年齢、老人の年齢/ キカイ馴染まぬ喫茶店 ほか)

【著者紹介】
黒井千次 : 1932年(昭和7年)東京生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、富士重工業に入社。70年より文筆生活に入る。69年『時間』で芸術選奨新人賞、84年『群像』で第20回谷崎潤一郎賞、94年『カーテンコール』で第46回読売文学賞(小説部門)、2001年『羽根と翼』で第42回毎日芸術賞、06年『一日夢の柵』で第59回野間文芸賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • じいじ さん

    「古い記憶は残っても、新しい記憶はすぐ消える」は、まさに的を射たことばです。私も80を超えてからは、とみにそれを感じます。文中、ご自身のモノ忘れについて、モヤモヤして思い出せないときは早々に「諦めなさい」と言っています。一気に読み終えて、人それぞれ個人差はあるものの、それ相応に年を取ります。身体のあちこちが異変をきたすのは、当たり前なことがよく分かりました。『老いの味わい』は、素晴らしいタイトルだと改めて思いました。私に与えられた残りの人生を、黒井さんのように力まずにエンジョイしたいと思います。

  • クリママ さん

    「老いのかたち」に続く、筆者アラ80のエッセイ。第1編は、身近に棲みついてしまったたくさんの無用な品々の整理。年寄りによる整理は自分自身を見失いないかねないから危険とそのまま。いやいや、それを残されて整理しなければならない者のことをを考えてよとツッコミたい。次の「無為の一日の後味」。あれこれ予定しておきながら、ずるずると時を過ごて1日を終えること。今の私はそのころの筆者とは15歳位も若いのにもうほとほと同感。あまり遠くを見ずに、1年1年を小刻みに着実に積み上げていくのがこれからの歩み。今から、そう思う。

  • おか さん

    凄い発見をしてしまいました!黒井さんが78歳から82歳までに書かれた老いについてのエッセイなんですが なんと私そのすべてが自分の身に当てはまるんです。私十年ほど進化 否 退化 否 老化 が進んでいるのを発見しました。で 納得 だから私 利用者さんからの共感を得ることが多いんだ!!!だから80代90代の人から 同い年位❓って聞かれるんだ! きっと同じ匂いがするんだろうな(笑)でもまぁ その内私より年下の人たちが きっと私に追いついてくるんだろうな(笑)

  • 団塊シニア さん

    現在82歳の筆者、年齢は常に初体験という言葉が印象的です。

  • KEI さん

    著者の78歳から82歳までの自らの「老い」を見つめたエッセイ。身の回りの物を片付ける事が億劫と言い、その億劫が増えてきた。運動能力の衰え、物忘れなど自分より先に経験している著者の老化にある時は頷き、ある時は呆れ、笑ってしまうこともある。80代は1年を小刻みに積み上げていくしかないと著者は言う。著者の様な立派な物書きでもこの様な問題を抱えているなら、私がその年齢に達した時は甚だ怪しい。著者の様に自らの老いを笑い飛ばせれば良いのだが。

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人物・団体紹介

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黒井千次

1932年、東京生れ。1955年東京大学経済学部卒。1970年『時間』で芸術選奨新人賞を受賞。1984年『群棲』で谷崎潤一郎賞、1995年に『カーテンコール』で読売文学賞、2001年に『羽根と翼』で毎日芸術賞、2006年に『一日夢の柵』で野間文芸賞を受賞。1987年から2012年まで、芥川賞選考委員

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