基本情報
内容詳細
七十代後半の坂を登り切り、八十歳を超えた作家が見つめる老いの日々。身の回りには、薄い横線で消された名前の目立つ住所録。バッグは肩からすべり落ち、タタミから立ち上がるのに一苦労。そして頭に浮かぶ疑問は、なぜ歳を取ると何事も億劫になるのか、病気の話にかくも熱が入るのか、「ピンピンコロリ」は本当に理想なのか―。一年一年、新しい世界と向き合って歩む日常と思考を丹念に描いた、心に響くエッセイ。
目次 : 1 人生ノートの余白(歳月重ね、捨て難き物たち/ 無為の一日の後味 ほか)/ 2 老いとは生命のこと(ゆとりと怠惰、元気と焦りの間で/ 何もない平面の恐怖 ほか)/ 3 古い住所録は生の軌跡(物忘れが叶える境地/ その時、こちらはもう… ほか)/ 4 転ばぬ先の前傾姿勢(八十代初頭の若さとは/ 転ばぬ先の前傾姿勢 ほか)/ 5 年齢は常に初体験(幼児の年齢、老人の年齢/ キカイ馴染まぬ喫茶店 ほか)
【著者紹介】
黒井千次 : 1932年(昭和7年)東京生まれ。55年東京大学経済学部卒業後、富士重工業に入社。70年より文筆生活に入る。69年『時間』で芸術選奨新人賞、84年『群像』で第20回谷崎潤一郎賞、94年『カーテンコール』で第46回読売文学賞(小説部門)、2001年『羽根と翼』で第42回毎日芸術賞、06年『一日夢の柵』で第59回野間文芸賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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人物・団体紹介
黒井千次
1932年、東京生れ。1955年東京大学経済学部卒。1970年『時間』で芸術選奨新人賞を受賞。1984年『群棲』で谷崎潤一郎賞、1995年に『カーテンコール』で読売文学賞、2001年に『羽根と翼』で毎日芸術賞、2006年に『一日夢の柵』で野間文芸賞を受賞。1987年から2012年まで、芥川賞選考委員
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