昭和ノスタルジー解体 「懐かしさ」はどう作られたのか

高野光平

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784794969965
ISBN 10 : 4794969961
フォーマット
出版社
発行年月
2018年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
377p;20

内容詳細

ゼロ年代の“昭和ノスタルジー”ブームは、なぜ世代を超えた一大ブームになり得たのか―。高度成長期が終焉を迎えた一九七四年にマンガ『三丁目の夕日』が連載開始。そこから映画「ALWAYS 三丁目の夕日」が公開される二〇〇五年までの約三十年間に、昭和を愛好する文化がどのように形成されてきたかを、マンガやテレビ、雑誌、広告、おもちゃ、音楽、映画、ファッション、レジャー施設など幅広い領域に目を向けながら考察する。

目次 : 序 ふたつの「三丁目」のあいだに/ 一九七〇年代(ニューノスタルジーの誕生―『三丁目の夕日』とその時代/ キープオンの誕生―「ぼくたちの世代」とおたくの胎動 ほか)/ 一九八〇年代(一九六〇年代の解放―『POPEYE』と語りの世代交代/ ニューウェーブな過去―アナクロ・廃盤・ゴジラブーム ほか)/ 一九九〇年代(レトログレッシヴの時代―渋谷系の音楽とデザイン/ 「スリーオー」の一九九〇年代―おしゃれ、おたく、おとな)/ 二〇〇〇年代以降(集合的記憶化する昭和―昭和レトロブーム/ 「懐かしの昭和」の完成―「ALWAYS 三丁目の夕日」とその後 ほか)

【著者紹介】
高野光平 : 1972年生まれ。茨城大学人文社会科学部教授。東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究専攻博士課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科助手、茨城大学人文学部講師、同准教授を経て、2016年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • サイバーパンツ さん

    昭和ノスタルジーを70年代からそれぞれのディケイドで解体・分析したあとで、それらを立体的に組み上げていく試み。ネット以降の若者にとっては、ウェブ上に映像が多く残っている影響から、昭和イメージの中心が80年代に変わっているなど、メディア論的な視点もある。少々肩入れし過ぎなきらいがあるが、渋谷系を昭和ノスタルジーの系譜として捉えている点は新鮮で面白かった。

  • エリナ松岡 さん

    大学の先生が論文を元に一般向けに書いた本だそうで、なるほど市井のサブカルチャー研究家のアプローチに比べ、より学術的な雰囲気があるかもしれません。結論部は十分説得力があり、一読の価値はあると思います。『三丁目の夕日』の連載が始まった1970年代から2010年ぐらいまでの「昭和ノスタルジー」の変遷を順に追っていくのですが、「テレビ探偵団」のキャスティングや著者が若い頃熱中した「渋谷系」音楽についての分析なんかは特に面白かったです。

  • Koki Miyachi さん

    「ALWAYS 三丁目の夕日」に象徴される昭和ノスタルジーを書籍、雑誌特集、TV番組、商品、イベント、展覧会などの関連資料を分析した労作。その要素を一旦バラバラに解体して個々の部品を観察してから組み立て、設計図付きの「懐かしの昭和」を完成させる試み。自分が属する世代の視点で見てしまいがちだが、昭和という時代を歴史横断的に概観できる醍醐味がある。昭和の見方が時代によって次第に変化してゆくことを浮き彫りにした優れた文化史でもある。

  • つちのこ さん

    多少のこじつけ感はあるが、遡ること1974年が昭和ノスタルジーの系譜に当たるらしい。『三丁目の夕日』の連載が始まり、前年からのオイルショックに翻弄された年である。面白いのは、1970年代から始まったオタク文化と86年に登場したレトロの概念。いずれもマスメディアによる仕掛けが背景にあったようだ。私にとっての昭和ノスタルジーは自分が生まれた昭和30年代に尽きるが、それを知らない次世代にとっては単なる懐古趣味にしか映らないであろう。突き詰めれば、誰もがそれぞれの“懐かしき昭和“を持っている。それでいいのでは。

  • kenitirokikuti さん

    図書館にて。発端は映画『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005)頃の「昭和ノスタルジー」を探るものであるが、00年代における世田谷昭和30年代とピンポイントに絞るのではなく、戦後日本の古き良き集合記憶の発展を大量の雑誌記事から観察するもの▲長谷川町子や手塚治虫、藤子不二雄、あと引揚者のちばてつやには『三丁目の夕日』は存在しない▲01年の映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲 』は昭和40年代の事物を扱うが、その表象は05年の『ALWAYS…』が扱う昭和四十年代と大差ない。

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